議会報告でいきもの話のナゼ?
- みどり 中田
- 1月19日
- 読了時間: 5分
更新日:3月1日
わたしはこれまで毎回、議会報告に島本町で出会ったいきものを紹介するコーナーを設けています。
これに関して、
「いきもののところ、楽しみ読んでるよ!」とか、反対に
「もっと町政のことが知りたいからいきもののところはいらない!」とか、
賛否両論のご意見をいただいています。
(前者では舞い上がり、後者では多少へこみます)
そこで今回は、生き物観察のためにツルグレントラップというものを試してみたのでご紹介するとともに、わたしがなぜ毎回の議会報告でいきものコラムを掲載しているか、についてお話ししたいと思います。
「土の中のいきものの世界」
ツルグレントラップとは土の中の小さな生き物を採集する装置です。
今回はペットボトルで作成しています。

この土が上のほうから乾燥してくると湿気が好きな生き物はどんどん下のほうにいって
土の中にかくれている生き物だけがポトリと下(水をはっておく)に落ちてくるというしかけです。今回は自宅の庭の土をすくってやってみました。
数日後、下にセットした水の中をみてみると、ぱっと見、肉眼では石ころだけしかみえないのに、顕微鏡をつかってよくみると、トビムシやダニがいました。わらわらと水に浮いてる!ほかにもミミズやヤスデの赤ちゃんなど。庭の土の中にも小さな生き物がたくさんいるのですね。


「知ることは愛すること」
そういえばかれこれ20年ほど前、わたしが家庭菜園をはじめたばかりのころ、キャベツの苗の根もとにピョンピョンはねるとても小さな生き物がたくさんいて、これはなんだろうと思っていた矢先、わたしがいない間に隣の畑のおじさんが虫がついたらいけないからと、気を利かせて農薬をまいてくれたことがありました。

翌日、キャベツは元気にしてるものの、周辺の生き物の気配はゼロ。
昨日まであちこちで、ピョンピョンはねたりもぞもぞしていた生き物たちの気配はなく、
土がシーンとしていました。
お気持ちはありがたかったのだけど、とても悲しい思いをしたことをこのトビムシをみて思い出しました。(当時畑ではねてたのもトビムシと思われます)
お隣の畑のおじさんはあまり知らない虫はとことん始末する方針のようで、別の日にはマイマイカブリを潰そうとしていて、あわてて、
「それはカタツムリを食べてくれる畑にとってよい虫です!」
とお伝えしたら、それなら、とそっとしておいてくれたことがありました。

マイマイカブリなんてめったに見ることができないお宝ムシなのに潰すなんてもってのほか!というのがわたしの正直な気持ちだったのですがそれはさておき、なにがいいたいかというと、
「知ることは愛すること」ということ。
わたしは生き物好きではありますが、もともと好きなのは哺乳類、せめて鳥か爬虫両生類など、背骨のある動物まで。
セミもカマキリも怖くてさわれないどころか、ムシやその他の生き物にはそもそも興味すらありませんでした。それが変わったのは動物学を専門とする大学院に入ってから。
わたし自身はカメの研究をしていたのですが、同じ研究室の人たちが扱っているさまざまな生き物の情報を見聞きしていたらいつのまにか小さなムシにも目がいくようになり、大切にしたいなと思うようになっていたのです。
ちなみにオットがクモ博士なので、20年来の結婚生活の刷り込みにより普通の人よりはずっとクモを大切にしています。
そんなこんなで、わたしは20年前の隣の畑のおじさんとのやりとり以降(この場合は知ることが愛すること、とまではいかなかったにしろ)、身近にいる生き物のことを、チャンスをとらえては、自分の子どもをはじめ、ママ友や子どものお友達等々の知り合いに伝えるようにしています。
いま世界の生物多様性は大量消費大量生産をはじめとした人間のさまざまな活動のせいで急速に失われています。
過去50年で生物多様性は68%減少、今世紀中に陸上種の最大50%を失う可能性があるともいわれています。
そんな時代だからこそ、この島本町でも、生物多様性の恵みを将来にわたって享受できるよう、多くの方に人間以外のたくさんの生き物のことをまずは知っていただきたい。
少しでも知ったら、その生き物をぞんざいに扱いにくくなるでしょう?
これが地道ではあるけれども生物多様性を守るためにわたしが取り組めることの一つだと思っています。全戸配布している中田みどりの議会報告で毎回島本町のいきものをとりあげるのも同じ理由です。
そしてそれが島本町のよさを引きだすまちづくりにも繋がると考えます。 ちなみに、今日ご紹介したトビムシは土の中にそれはもうたくさんいて、落ち葉や菌などを食べる上に、小さな捕食者の餌にもなるそうで、連綿たる食物連鎖の下支えをしてくれてる重要ないきもの、のようです。
↓ニッポニカ「トビムシ」とのころを読んでみてくださいね。
(2021-01-27 アメブロより転載)



