田んぼやらせてください 〜生物多様性の勝利、だといいな〜
- みどり 中田
- 2月22日
- 読了時間: 5分
今年で島本マイ田んぼ歴5年ですが、これは田んぼ1年目の、興奮さめやらぬ初めての稲刈りのときの記事です。その後関わる田んぼが広がって、今年はついにお米を自給自足するに至りました(祝)。以下2020年11月のわたしのアメブロの記事を転載します。
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すっかり稲刈りも終わってしまっていまさらですが、田んぼシリーズの続きです。今回は田んぼの生き物についてです。
稲の害虫であるトビイロウンカが⻄日本一帯で過去最悪といわれるほどの被害をもたらした2020年。島本町でも9月ごろから坪枯れ(下写真:ウンカのせいで田の一部が円形状に枯れて倒れる)があちこちでみられました。明日はわが身(田)かと戦々恐々とする日々でしたが、終わってみればマイ田んぼは一部被害がでかけたものの坪枯れにまでは至らず持ち堪え、稲刈りまで無事たどり着くことができました。

虫がたくさん!
あーよかったよかったと念願の稲刈りです。と、稲を刈るたび足元を蠢くムシムシ虫!うちの田んぼは除草剤も農薬も使わず、中干し(夏の一時期、水を抜き田んぼにヒビがはいるまで乾かす作業)さえもカエルや水生昆虫への影響を考えて回避したぐらいだったので、たくさんのムシや生き物がいたのは当然といえば当然なのですが、それにしても多い。その多さに(なんの根拠も経験も比較材料もないことを承知のうえで書きますが)この子たちがウンカの被害からうちの田んぼを守ってくれた?と思わずにはいられないほど。というわけで、今回はうちの田んぼでみられた生き物(捕食者)の紹介をしてきたいと思います。 ※ざっとみただけで念入りな調査をしたものではありません。

クモは少なくとも12種類
足元を蠢くムシの中で量も種類も多かったのがクモでした。せっかくオットがクモ博士なのですから、これを使わない手はありません。片っ端からクモたちをビンに採取(下写真)し、家で同定してもらいます。しかし残念ながら同定は苦手と公言する頼りないクモ博士なので(小さなクモ も多くてやりにくいということもあったでしょうが)、種名まで落とし込めたり込めなかったりで、だいたい以下の12種類のクモがいました。
イオウイロハシリグモ ミスジハエトリ ヤハズハエトリ オスクロハエトリ クサグモの仲間 コモリグモの仲間 ヒメグモの仲間 アシナガグモの仲間 フクログモの仲間 コハナグモ ヨツデゴミグモ ナガコガネグモ



トンボ
田んぼの上を一番よく飛んでいたのは(多分)ウスバキトンボ。この方達はいつもいてくれるわけではなく、集団でどこからかきて、一定の時間を田んぼの上で過ごしてまたどこかにいってしまうという。田んぼの上をトンボの群れが飛んでいる風景はよいものです。シオカラトンボやアオモンイトトンボ?はいつでも田んぼにいたような。ヤゴの抜け殻もたくさん稲についていました。


カマキリ、ヌマガエル 、トノサマガエル
実はわたしが田んぼをすることで一番帰ってきたほしかった生き物はトノサマガエルだったのですが、今年はシーズンを通して大人の個体を数回みかけたのみで(写真とれず)、夜の鳴き声も聞こえず、繁殖の様子もなく、ここで増えていただくことはできなかったようです。うちの田んぼはすぐに水がぬけちゃうからなー。来年は少し深い溝をほっていつでも水が溜まる場所を作っておこうかしら。


クロスジチャイロテントウ(大阪府準絶滅危惧種)も!
稲刈り時にクモと一緒に足元でよくみられたのがこのクロスジチャイロテントウ(下写真)。アブラムシを食べる小さくて地味なテントウムシですが、なんと!大阪府の準絶滅危惧種でした。淀川の河川敷 などに生息しているようで、町内では以前行われた島本駅⻄側の生物調査でもみつかっています。わたしは今回人生で初めてみました。他にヒメカメノコテントウとナナホシテントウもいました。

30キロ収穫
ということで、いろいろな生き物たちに守られた小さなマイ田んぼ(10m✖️10m弱)で収穫したお米は32キロ。「この面積なら5〜60キロぐらい収穫できてもよかったんだけどね、それでも及第点!!」と持ち主さんにもいっていただきうれしい限りです。国⺠一人あたり平均年間米の消費量は約55キロ、家族4人であれば必要量は220キロですが、今回とれたのはその約7分の1。めざせ!米の自給生活で、来年も少し面積を広げて米作りを続けていきたいと思います。今年お手伝いくださったみなさま、本当にありがとうございました。そしてまた来年もよろしくお願いいたします!!




