2023/6 ①太陽光発電システム導入を検証した書類はどこへ?②大型住宅開発に伴い今後保育所利用者数はどう増える?
- みどり 中田
- 2023年6月30日
- 読了時間: 30分
中田議員(質問者席へ)
2023年6月の一般質問を行います。
「太陽光発電システム導入を検証した書類はどこへ?」です。
2023年2月の山口議員の一般質問に対し、本町は、令和2年に公共施設への太陽光発電システム導入について検証したことがある旨、都市創造部が答弁しています。その検証内容について詳細を確認すべく、環境課に問い合わせたところ、これに係る書類がないということでした。
検証した際の書類はどこにいってしまったのか、伺います。
都市創造部長
それでは、中田議員の一般質問に御答弁申し上げます。
1点目、「太陽光発電システム導入を検証した書類はどこへ?」のうち、「検証した際の書類はどこへいってしまったのか」についてでございます。
過去の公共施設への太陽光パネル設置検討に係る資料につきましては、令和2年当時、第六次島本町行財政改革プランの項目の1つである「町施設を活用した太陽光発電システム設置」について、電力事業者から説明を受け、二酸化炭素の排出削減効果や年間電気料金などの試算を行った際に提供を受けたものでございます。
当該資料につきましては、正式な成果品や報告書といった位置づけのものではなく、あくまで事業者の営業活動の一環として説明を受けたものとの認識であったことから、当部内での組織的な文書管理の対象とはしておらず、当部内に資料は残っておりませんでした。
そのため、議員の事前からの御質問があった際には、書類が不存在である旨、御説明をさせていただいておりましたが、今回の一般質問の通告を受け、関係書類について改めて調査したところ、政策企画課において打合せの要点録を作成し、その添付資料として保管しておりましたことを確認したところでございます。
以上でございます。
中田議員
この件に関し、私は当初、環境課に書類がないと聞いて、前回の答弁は資料なしで行ったのかと大変驚いたのですが、それだけでなく、実はその書類は存在しており、しかも所管部署ではない部にあったということです。これは一体、どういうことでしょうか。
こうした、答弁で言及された検証に関連した資料、書類がなかった。今の答弁からすると、結果的には別の部署にあったわけですが、文書管理上、問題があると考えますが、いかがですか。
総務部長
次に、「文書管理上の問題」についてでございます。
本件検証にかかる資料につきましては、政策企画課において打合せの要点録を作成し、総合政策部長までの供覧の下、添付資料として保管していることから、令和5年2月定例会議において答弁した内容の根拠となる文書は存在いたしております。
しかしながら、島本町文書取扱規程第4条第1項の規定において、「意思決定をするに当たっては、文書を作成しなければならない」と規定され、また、同規程第23条において「事務の処理は、全て文書により決裁を受けなければならない」と規定されています。
これらのことを踏まえますと、令和5年2月定例会議において答弁した内容に関し、当該要点録及びその添付資料をもって意思決定をしたものとすることは不十分なものであり、別途、意思決定に係る起案文書を作成し、保管することが、より適切な対応であったものと考えるものです。
以上でございます。
中田議員
やはり、今回の件、文書管理上の問題があり、それは意思決定にかかる文書を作り、決裁を受けなければならなかったところ、それが行われていなかったということだと思います。
確認しますが、その意思決定とは、都市創造部が2月議会で、太陽光発電システムの導入は見送らざるを得ないとの判断に立ったと答弁した際の「導入を見送る」という意思決定を指しますか。つまり、この判断を行った際に文書を作成していなかったということですか、伺います。
総合政策部長 町有施設を活用した太陽光発電システムの設置の検討に当たり、起案文書を作成しておりませんでしたが、事業者との打合せを数回行い、要点録を作成し、その時点で売電価格の下落により採算性が見込めない状況であることなどから、屋根貸し事業を見送るなど、要点録に記録し、総合政策部内で供覧をしておりました。
また、打合せに出席していた都市創造部と共有できていなかったことにつきましては、不十分であったと反省をいたしております。
以上でございます。
中田議員
分かりました。
島本町文書取扱規程第4条に、「各課は、その意思決定するに当たっては、文書を作成してこれをしなければならない。」とあるにもかかわらず、本件では要点録だけを作成し、意思決定に係る起案文書を作っていなかったということです。
町の最上位計画である総合計画や環境基本計画で施策として掲げられている公共施設への再生可能エネルギーの導入に係る意思決定が、規程に沿わない形で行われていた、これは大問題だと思います。
さらに、本件は多くの部にまたがる案件にもかかわらず、関連資料が供覧されていたのが総合政策部の中だけだったという点も問題だと思います。確かに、行財政改革は政策企画課の管轄ですが、公共施設への再エネ導入ですから、当然、環境課にも関わる案件ですし、また、2月の議会答弁では、学校施設への導入も検証したとのことでしたので、教育こども部も関わります。ですから、資料はこれらの部署にも供覧してしかるべきでした。
部をまたがる内容の検証であったにもかかわらず、供覧が総合政策部内のみになっていたことに関し、情報共有体制にも問題があったと考えますが、いかがですか。改善を求めます。
総合政策部長
文書の作成や関係部局への文書の共有につきましては、様々なケースが想定されますが、今回の事案で申し上げますと、事業者との協議には、総合政策部、都市創造部双方の職員が出席しており、その要点録については、双方で共有すべきであったことは、先ほど御答弁申し上げましたとおりでございます。また、学校施設の検証も行っていたことからすれば、教育こども部との共有についても必要であったと考えております。
今後におきましては、文書管理において、部局をまたがるものについては、文書や資料を管理・保管する部局を明確にするとともに、情報共有の徹底に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
中田議員
部局をまたぐ案件については、どの部局が担当するか、部局間で仕事の押しつけ合いになるケースもしばしばあるのではないかと推察しています。
そのようなときに、押しつけ合いの谷間に落ちて、案件が放置されることがないようにもしていただきたいです。引き受けた部署が貧乏くじを引いたと思わないように、引き受けることが評価される仕組みや体制を作り、各部署が率先して担当しようとする環境にすることも大事だと思いますので、併せて、ここで求めておきます。
それはさておき、今後、こうしたことがないように対策を取るべきと考えます。文書管理に関しては、私が議員になってからの6年間だけでも、先ほどの福嶋議員の一般質問もありましたが、保存が十分ではなかったなどの問題を数多く見聞きしてきました。今年度の文書取扱規程の改訂で、こうした問題が減るのでしょうか。伺います。
総務部長
次に、「今回の文書取扱規程の改訂で改善されるか」についてでございます。
本件については、意思決定をするに当たって文書を作成する必要があったこと、また、今回の検証が意思決定に当たるものであることということの認識が、職員間で不足していたものであると思料いたします。今年度の文書取扱規程の改訂につきましては、主に文書管理・電子決裁システムを導入することによる運用等の見直しを行うものとなりますが、文書管理全般に係る部分についても、併せて検証することができればと考えております。
また、当該システムの導入に係る職員研修の際に、本件事案等を事例に挙げ、文書の作成や管理保存に係る留意点を踏まえた研修を実施できるよう、コンサルティング事業者と調整を進めてまいります。
以上でございます。
中田議員
改訂に当たる文書取扱規程の検証、文書管理全般に係る検証、また、本件事案を事例に挙げての研修をしていくとのことです。文書管理の重要性を改めて周知徹底、検証していただきたいです。
次の質問です。
今は政策企画課に資料があることが判明しましたが、2月議会の時点では、都市創造部は資料がないままに、検証内容について議場で詳しく答弁していたということになります。記憶を頼りに答弁したということですか、伺います。
都市創造部長
次に、「検証内容の答弁」についてでございます。
令和5年2月議会における他の議員の一般質問に対する答弁につきましては、当時、電力事業者から説明を受けた複数の職員がその概要を記憶しておりましたので、これを基に当部において御答弁申し上げたものでございます。
なお、先ほど総務部長から御答弁申し上げましたとおり、町としては、事業者から提供のあった資料のうち、比較的重要と考えられるものにつきましては、文書取扱規程に基づき、文書番号やフォルダーコードの設定などの文書処理を行うなど、組織的な文書管理を徹底してまいりたいと考えております。
以上でございます。
中田議員
複数の職員の記憶を頼りに答弁、作成したということです。
確かに、様々な答弁において、記憶を基にすることもあろうかとは思いますが、殊、こうした重要な施策に関わる検証内容について、記憶だけに基づいて答弁することは適切でしょうか、伺います。
都市創造部長
先ほど御答弁申し上げましたとおり、他の議員への一般質問に対する答弁作成につきましては、当時、電力事業者から説明を受けた複数の職員が、その概要を記憶しておりましたので、これを基に当部において御答弁申し上げたものでございます。
定例会議や常任委員会におきましても、根拠資料がなくとも、記憶により一職員が御答弁させていただく場合は十分にあり得ることだと認識しておりますことから、今回、複数職員から丁寧な聴取に基づき答弁作成しておりますので、御理解賜りたく存じます。
以上でございます。
中田議員
複数職員から丁寧な聴取をしていたから大丈夫という話ではないと、私は思います。
その答弁の根拠が記憶にしか存在しないであれば、第三者がその確かさを確認しようにも方法がありません。これは、行政の振る舞いをチェックする私たち議員にとって、その役目を遂行する上で大きな妨げになること、また、町民への説明にも困難をきたすことは、御理解いただきたいです。
次の質問です。
全ての答弁に根拠資料があるわけではないことは理解できますが、今回のように、あるべき資料がないままに答弁するのとは意味が違います。こういうことが起きないように管理職がフォローすべきかと思いますが、当時、記憶に基づいた答弁であるということや意思決定にかかる文書を作っていなかったことは、管理職のどこまでが知っていたのでしょうか、伺います。
都市創造部長
記憶に基づいた答弁であるということを認識していた管理職につきましては、都市創造部においては、都市創造部長までの管理職が認識いたしております。また、意思決定にかかる文書を作っていなかったことということを認識した時期については、令和5年2月定例会議の一般質問で答弁を作成する際に認識したものでございます。当時の答弁作成については記憶で作成させていただいたものの、複数の職員の共通認識の下で作成しており、当部の各職階の管理職も承知しておりました。
しかしながら、先ほども御答弁させていただいたとおり、今後、比較的重要と考えられるものにつきましては、文書取扱規程に基づき、文書番号やフォルダーコードの設定などの文書処理など、組織的な文書管理を、管理職を筆頭に徹底してまいりたいと考えております。
以上でございます。
中田議員
今回の件に関して、都市創造部の管理職の方は知っていたということですね。意思決定にかかる文書がなかったことも、2月議会の答弁のときに認識してたということ。
であれば、そこに問題があるということに気づいて対応するのが管理職の仕事ではないでしょうか。今回、一般質問を受けることになってはじめて気がついたように見えますが、この問題、それでは遅いのではないかと思います。
それはともかく、次の質問です。
一般に、記憶は曖昧なもので、それに基づく答弁は、書類に基づくものと比べ、確かさが弱まります。先ほども申したとおり、記憶を基に答弁しなくてはならないことがあるのは分かりますが、私たち議員は、その答弁に基づいて意思決定するのですから、その確からしさが弱いものなら、それは知っておきたいところです。つまり、記憶に基づいた答弁をするなら、そのことも同時に述べてほしく思います。いかがでしょうか。
都市創造部長
令和5年2月定例会議一般質問に係る答弁作成については、繰り返しにはなりますが、記憶を基に作成させていただいたものの、当時説明を受けた複数職員から丁寧な聴取に基づき、答弁を作成しております。今回のケースについては、重要な意思決定が含まれる部分でもありましたことから、本来なら、改めて文書を確認の上対応することが、より望ましかったと考えております。
なお、根拠資料がなくとも記憶により御答弁させていただく場合はあり得ますが、内容によっては、その確度も含めた情報として御答弁させていただく場合があるものと考えております。
以上でございます。
中田議員
ぜひ、よろしくお願いします。
次です。
さて、本件では部局間で情報が共有できておらず、文書も決裁もないまま、重要な意思決定が行われ、記憶のみに基づいて議会答弁が作成されていました。ずさんと言わざるを得ません。
この状況について、町長はどういう認識でいるのか、伺います。
山田町長
議員御指摘のとおり、文書によらず意思決定を行っていたことは不適当であり、また、後になって、総合政策部に要点録と資料があるということが確認されたことや関係部局で共有されていなかったことにつきましては、文書管理の在り方が適切ではなかったと考えております。
なお、記憶に基づいた議会答弁はあり得るとしても、本連の場合、起案文書が作成され、共有されていなかったことで、問題が生じたものと考えております。
今後につきましては、今年度に文書取扱規程の見直しを行い、文書管理・電子決裁システムの導入を予定しておりますので、職員研修を充実するとともに、改めて職員には適切な文書管理の徹底を指示してまいりたいと考えております。
以上でございます。
中田議員
ぜひ、よろしくお願いします。
次の質問です。
文書管理の在り方の話に戻ります。文書管理においては、文書に番号が付されていることが、1つの大事な要件です。今回の太陽光システムの導入の検証に係る資料には文書番号が付いていなかったと聞いていますが、本来は、文書を収受したときに文書番号を付けるものですか。それとも、意思決定文書を起案した後に付すべきでしょうか。後者の場合、資料を収受してから起案するまで、管理はどうなりますか、伺います。
総務部長
本件文書を適切に管理するに当たっての「文書番号の付番のタイミング」について、御答弁申し上げます。
文書番号につきましては、原則、文書処理簿へ登録する際に付番されることとなります。文書処理簿への登録を行うタイミングは、各課において、文書を収受した際、または事案の処理を行うに当たって、起案文書を作成する際でございます。
本件文書におきましては、収受文書として個別に付番し処理する方法、または、意思決定をするに当たって作成する文書を起案する際の添付文書として取り扱う方法の2通りの処理方法が考えられます。
なお、後者の場合であれば、収受してから起案を行うまでの間は、文書番号の付番は行われません。
以上でございます。
中田議員
分かりました。
次の質問です。
さきの答弁で、文書管理全般に係る部分についても併せて検証することができればと答弁されました。この際、文書取扱規程について、幾つか改善を求めておきます。
1つ目、文書の管理・保存・廃棄についてです。
平成30年3月の「私の声」に、「会議の要点録を作成するために用いられる、公文書としての音声データの扱いについて」という題で、音声データが議事録が完成した時点で廃棄されるのは、文書保存の在り方として問題だという指摘がありました。行政はその際、音声データは文書であるとしながら、要点録作成後は、組織的に用いないので文書ではなくなり廃棄できるとしていました。
しかし、文書取扱規程にこのような運用を可能にする規定はありません。規程によらず公文書を廃棄することは適切とは言えません。これを機に改善すべきと考えますが、いかがですか。
総務部長
「要点録のために取得した録音データの廃棄に係る運用」について、御答弁申し上げます。
島本町文書取扱規程に規定されていない文書等の廃棄を行うことの妥当性についてのお尋ねでございます。
議員御指摘のとおり、同規程において、文書として取得したものが、組織的に用いるものでなくなった時点で廃棄することができる旨の規定はございませんが、必要な範囲を超えて全ての文書を管理・保存することは、行政運営上、支障を来すおそれがあることなどから、事務を能率的に処理するための運用として、本件音声データを廃棄したものと考えます。
しかしながら、文書取扱規程第3条の「事務が能率的に処理されるようにしなければならない」という文書取扱いの原則に照らして、解釈・運用している現状である中、具体的に、文書として取得したものが組織的に用いるものでなくなった時点で廃棄することができるとする明確な規定がないとの御指摘をいただいておりますため、今後、令和6年度から運用を開始する文書管理・電子決裁システムの導入の際に、御指摘も念頭に置き、より効率的かつ適切な文書管理が行えるよう、近隣自治体の運用等も参考にし、例外的な取扱いも検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
中田議員
第3条に照らして運用していると言われますが、廃棄に関する具体的な規定は第3条に沿って定められているわけですから、その規程によらず、運用や解釈で廃棄する必要はないはずです。もし、現実と合わなくなっているというのなら、規程を変えていくべきで、改善のための検討されるのは望ましい方向だと思います。
加えて申し添えますが、この指摘は6年も前に行われていたもので、ずっと対応せず放置を続けていたのは、いかがなものかと思います。
文書を全て管理できないので、規定がなくても運用で廃棄するとおっしゃっていますが、そこには行政の都合しか存在しておらず、文書が住民の財産であるという視点が欠けているのではないでしょうか。財産だからこそ、廃棄は慎重にすべきであり、そのため規程に沿った行動が求められるのだと思います。
さて、現実と合わないなら規程を変えるべきと申しましたが、殊、要点録作成のための音声データに関していえば、要点録にはない情報を含んでいるもので、要点録が完成しても廃棄すべきではありません。太陽光パネル導入に係る資料と同じように、データを収受した時点に固有の文書番号を付けるか、要点録の添付文書として、要点録の文書番号の下管理するのか、どちらかにすべきで、要点録ができた段階で廃棄できるような規定は作るべきではないことをここに求めておきます。
次の質問です。
科学的に価値のあるデータの保存についてです。
過去に、島本町全域の植物及び動物相調査を行った、その成果品の保存年限が5年であった問題について取り上げました。今後、こうした科学的に価値のあるデータが、職員の判断で保存年限が過ぎたら廃棄されてしまうような事態にならないような規定やフローにしておくべきと考えますが、いかがですか。
総務部長
令和6年度から運用を開始する文書管理・電子決裁システムの導入に伴い、本町における文書の取扱いに関する運用の見直しを図る予定としております。その際に、科学的に価値のあるデータ保存についても、どのように文書として取り扱うべきか及び保存年限をどうすべきかを検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
中田議員
今年度、新たに生物相調査、行われますが、そういうデータも含め、こういった調査データは、単に計画等に反映するための資料にとどまらず、科学的に価値があり、その地域のある時代を切り取った貴重な資料となります。一度失われれば二度と手に入らないものですから、何らかの形で保存を続けるべきです。これも重ねて求めておきます。
次の質問です。
時代の変化に応じて、文書の取扱い方も変わります。文書がデジタルファイルになることで、保管コストが大きく下がり、ほとんど無視できるようになります。この状況に応じて、町民の財産であるところの文書に関して、デジタルファイルで保管しているものについては、できるだけ捨てないという方針で管理していくべきではないでしょうか、伺います。
総務部長
「デジタルでの保管」についてのお尋ねでございます。
議員御指摘のとおり、電子データは紙に比べ、保存するスペースや管理などに関してのコストが低くなるものと考えております。本町といたしましては、文書が町民の皆様の財産であることを前提とした上で、全ての文書をできるだけ捨てないという方針ではなく、事務が能率的に処理されるよう、適切な保存年限の設定を行うことの徹底を図りたいと考えております。
つきましては、御指摘いただいた点も踏まえ、先行して文書管理・電子決裁システムを導入している自治体の状況調査等を行いながら、今後の検討課題にしたいと考えております。
以上でございます。
中田議員
今の御答弁は、デジタル化の時代の変化に対応したものではないと思います。
能率的な事務処理のために、一定の保存年限が過ぎた文書を廃棄しなくてはならないのは、多くは文書の管理や保存にコストがかかる場合のことです。先ほども申したように、デジタル管理によって、管理・保存のコストはほとんど無視できるようになります。この状況では、文書の廃棄は能率的な事務処理につながりません。むしろ、情報が失われることによって、事務処理の能率が下がることも考えられます。
これまでも、過去の文書がなくなったことによって困った事態になったことがあったと思います。デジタル時代の能率的な事務処理の在り方について、これまでの慣習にとらわれず、検討していただきたく思います。
最後に質問です。
そもそもは、公共施設に再エネ導入をという思いから、この検証処理を求めたことから始まっていますので、改めて伺っておきます。地球温暖化対策のため、公共施設への太陽光発電システム導入を早急に進めるべきです。進捗状況を伺っておきます。
都市創造部長
次に、「公共施設への太陽光発電システムを早急に導入すべき」についてでございます。
地球温暖化対策につきましては、本町といたしましても重要な取組であるものと認識いたしております。令和4年度には、地球温暖化対策実行計画(区域施策編)を策定し、4月21日には、町として気候非常事態宣言を行ったところであり、今後、具体的な対策を検討し、取り組んでまいりたいと考えております。
その対策の1つでもある公共施設の太陽光発電システムの導入につきましては、採算性の側面から一旦見送ったものの、日々、技術的にも改善が期待される分野の事業でもあり、今後、様々な視点から検証していく必要があるものと考えておりますことから、再度、電力事業者に対し、当該システムの導入に向けた協議を行うなど、採算性の側面以外も含め、改めて調査・研究を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
中田議員
再度、電力事業者と協議を行うとのことですが、事業者選びというか、いろいろあると思いますが、地域に裨益する脱炭素という観点も持っていただきたいと思います。
2つ目の質問です。
「大型住宅開発に伴い今後保育所利用者数はどう増える?」についてです。
2年前に保育緊急事態宣言が解除され、現在、おおむね待機児童は解消されていますが、今後はどうなのでしょうか。保育を利用する方の割合が増えたことや今後も控える大型住宅開発による急激な人口増に、現状の施設数で対応できると見込んでいるのか。また、住民の皆さんが必要とするときに、いつでも安心して保育施設が利用できる体制を整えるために、まずは、改めて保育所利用者数を予測すべきと考えます。いかがですか。
教育こども部長
続きまして、2点目の「大型住宅開発に伴い今後保育所利用者数はどう増える?」のうち、「現在の施設数で対応できるのか」についてでございます。
島本町保育基盤整備加速化方針を策定した平成30年度と、1年間を通じて待機児童数がゼロとなった令和4年度の、それぞれ年度末の保育需要を比較いたしますと、就学前児童人口に占める保育所等利用希望者の割合は、10%程度増加いたしております。
明確な要因を特定することは困難でございますが、多様な取組を行う保育施設が新たに開設したことや幼児教育・保育の無料化制度が開始されたことなど、様々な要因が複合的に重なり合い、当初見込みを上回る保育需要となっているものと推察するところでございます。
このような状況の中、今後も人口増加に伴い、保育所等利用希望者数が増加することが見込まれますが、現有施設の定員数が1,043人となっており、将来に向けての保育所等利用者数予測を行っていない現状では、現状の施設数で対応が可能かという点には、現時点ではお答えしかねます。
いずれにいたしましても、一定規模の開発が見込まれる際には、当該事業者に対して開発施設内での協力を求めることや保育に支障のない範囲での弾力的運用を実施するなど、適切な保育を提供できるよう、今後も待機児童が発生することがないよう、対応してまいりたいと考えております。
次に、「保育所等利用者数を予測すべき」についてでございます。
今後の本町全体の保育環境を整備し、保育行政をより推進していく上で、将来的な保育所等の利用者予測を行う必要は、当然のことながら必要であるとの認識の下、現在、事務を進めているところでございます。社会情勢の変化や国の制度改正により、その予測は大きく変動することが想定されますので、一定の予測を立てつつも、実際の就学前児童人口や保育所等入所希望者数を注視しながら、実態に即した対応を講じ、過不足のない定員管理を図っていくことが重要であると考えております。
いずれにいたしましても、現時点において入手可能な情報を基に、可能な限り早期に本町における保育所等利用者数の予測をお示しできるよう取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
中田議員
現状、当初見込みを上回る保育需要で、今後も人口増加が見込まれるが、現在の施設数で今後も対応できるかは予測を行っていない中では分からないということですね。予測については、現在、既に事務を進めており、可能な限り早期に予測を示したいということです。
先ほど答弁で、対策の1つとして、「保育に支障のない範囲での弾力的運用を実施するなど」と言われましたが、「弾力的運用」というのは、定員を超えて受け入れるということでよいですか。確認です。
教育こども部長
「弾力的運用」についてのお尋ねでございますが、弾力的運用とは、保育士配置基準及び面積基準を満たしていることを条件に、施設の定員を超過して児童の受入れを行うものでございます。
以上でございます。
中田議員
弾力的運用とは、施設の定員を超過して児童の受入れを行うということですね。
では、これに関し、「保育に支障のない範囲」とは、どれぐらいだと教育委員会は考えているのでしようか。定員というのは、ある程度、面積基準に余裕を持って設定されています。多少ならば超えることは許容されると思いますが、教育委員会として、弾力的運用として許容できるのは何%ぐらいと考えているのか。
児童福祉法に基づいて定められた児童福祉施設の設備及び運営に関する基準に示されている面積基準は、あくまで最低ラインです。面積基準ぎりぎりまで児童を受け入れることは、本来、望ましい状態ではないです。施設の状況は事業者ごとに異なり、最終判断は事業者ごとに行うとは思いますが、弾力的運用に関し、あらかじめ教育委員会として、安心・安全な保育を行うに当たり、どれぐらいを超えると望ましくない、ここまでなら許容できるという上限の数値を示しておく、設定しておくべきと考えます。いかがでしょうか。
教育こども部長
弾力的運用の実施に係る許容範囲につきましては、国の施設型給付費に係る取扱いといたしまして、恒常的に利用定員を超えて児童を受け入れている場合、児童の在籍数が利用定員の120%を超える場合には、施設型給付費の減額調整を行うものとなっておりますことから、一定の基準として120%を目安としているところでございます。
しかしながら、これは定員に対する基準値であり、保育室の面積は影響しないものでございます。実際に、児童が生活を行うに当たり、適正と考える面積につきましては、各施設の保育方針等により異なるため、あらかじめ数値による一律の基準を設けるのではなく、各施設との協議を経て、その年度の受入数を決定しております。
本町といたしましても、恒常的かつ著しい弾力的運用の再現は望ましくないものと考えておりますことから、今後におきましても、児童が保育所等で生活を安全に過ごしていただけるよう、各施設と十分に調整を行い、適切な保育に努めてまいりたいと考えております。
中田議員
今の御答弁ですと、教育委員会として、望ましい保育ができる受入数の限度について、どの辺りだと思われているのか分かりかねましたので、改めて伺います。
教育委員会として望ましい保育が行える弾力的運用の限度は、どれくらいだと考えているのか。また、保育所利用者数の予測は何のためにするのか。先ほど、「本町全体の保育環境を整備し、保育行政をより推進していく」や「過不足のない定員管理を図っていくことが重要」と答弁されていますが、それぞれ具体的にどういう意味か、伺っておきます。
教育こども部長
1点目の「教育委員会として望ましいと考える保育の状況」につきましては、あくまでも認可定員内での保育の実施であり、弾力的運用につきましては、待機児童対策として例外的及び限定的に実施するものと考えておりますことから、必ずしも望ましい保育環境であるとは言い難いと考えます。
2点目の「保育所等利用者数の予測の目的」「保育環境の整備及び保育行政の推進」及び「過不足のない定員管理」の意味に関するお尋ねでございます。
まず、「保育所等利用者数を予測することの目的」についてでございます。待機児童は、原則、保育需要と保育定員の乖離から発生するものでございます。本町では、一時期、府内で待機率がワースト1位という時期が複数年継続して発生いたしました。今後、改めて保育を希望する方が保育所に入所できないような待機状態の児童が発生することのないよう、適切な施設管理を行うことを目的に、保育所等利用者数予測を行うものでございます。
次に、「保育環境の整備及び保育行政の推進」の意味でございます。保育需要を適切に見極め、保育を希望される方が求めるサービスの提供を受けられるよう、必要な環境整備を行い、保育所等を利用される児童が年齢に応じた生活を営めるよう支援するとともに、児童を取り巻く社会の変化に円滑に対応しながら、適切な保育が実施できるよう取り組んでまいりたいとの意味でございます。
次に、「過不足のない定員管理」の意味でございます。大型住宅開発に伴う一時的な人口増加やその後の全国的な人口減少が見込まれる中、保育需要の変化を中長期的な視点で捉え、待機児童の発生を抑制しつつ、一方で、各施設が長きにわたり安定した運営を継続していくことを可能とするため、需要に対する供給が過剰とならないよう、適切な定員管理に努めていくという意味でございます。
以上でございます。
中田議員
教育委員会として望ましい状態は、認可定員内の保育ということだということが分かりました。であれば、あらゆる施策を動員して、その状態を維持することを要望します。
予測の目的は、待機児童が発生しないよう適切な施設管理を行うことということですが、さきの教育委員会の見解からすると、弾力的運用の下で待機児童がいないという状態は、望ましいものとは言えないということだと思いますので、教育委員会として、望ましい保育状態を維持するためにも、予測を積極的に使っていかれることを求めます。
1点、過不足のない定員管理については、「需要に対する供給が過剰にならないよう」と言われました。主に、施設を造りすぎないということかとも思いますが、人数が減ってきたときに、定員を減らしていくとも聞こえます。そういったときに、公立保育所の廃園を検討することがないよう、改めて、ここでは求めておきます。
次の質問です。
「当該事業者に対して開発施設内での協力を求めること」と、さきに答弁されていますが、具体的にどういうことを想定しているのか、伺います。
教育こども部長
事業者による協力の具体例といたしましては、例えば、開発予定戸数の抑制や開発時期の後ろ倒し・分散、開発区域内での保育施設等の設置の検討などを想定いたしております。
以上でございます。
中田議員
具体的にお答えいただきました。事業者による協力獲得に向けて、島本町としてタフな交渉をお願いいたします。
次の質問です。
子育て支援協力金については、これまで要綱で定めた内容に対し、どれくらいいただいているのか、実績を伺います。これまで以上に協力していただけるように、事業者に強く働きかけるべきと考えます。この件も伺います。
教育こども部長
子育て支援協力金の実績につきましては、これまでに4者から計1,424万円の御寄付を頂戴しており、島本町開発行為等における子育て支援協力金に関する要綱に定める要請額と比較いたしますと、それぞれ2割程度の寄附金額となっているところでございます。
寄附という性質上、強制的な納付をお願いすることは困難ではございますが、事業主の皆様の御理解と御協力の下に成り立っている制度でございますので、今後におきましても、開発行為等に伴う保育需要の増加に対応するための保育基盤の整備等の推進を図り、もって町の子育て環境の充実を図るため、担当課におきましては、本協力金の趣旨等を積極的に御説明し、事業主の皆様の御理解と御協力を得られるよう努めてまいりたいと考えております。
中田議員
実績としては、要綱で定める額の2割程度しかいただけていないということですね。
今、積極的に説明していくと言われましたが、具体的にはどういうことでしょうか。
別途、事業者がこちらのお願いを聞かざるを得ないような動機を付与することも重要かと思います。例えば、開発事業者がこちらが思うように協力してくれないのであれば、前回のように保育緊急事態宣言を出すなど、直接、潜在的な移住希望者にアピールすることも考えられると思います。いかがですか。
教育こども部長
1点目の「本協力金の趣旨等を積極的に説明」という答弁の「積極的に説明」の意味でございますが、子育て支援協力金制度が平成27年7月にできてから、これまでも対象の開発に対しては、同制度ができた背景とその目的を説明し、協力を求め、その多くの事業者については、その趣旨を御理解いただき、協力金を寄附いただいているところでございます。
しかしながら、その額は要項で定める5分の1程度の額でありますことから、制度の趣旨や目的について、より一層丁寧に説明することで、要綱に規定する額に少しでも近い額を御寄付いただけるよう、さらなる御理解につなげていきたいとの思いから、「積極的に説明」と述べさせていただいたところでございます。
2点目の「潜在的な移住希望者に直接アピールすること」についてでございますが、本町への転入を希望されている方には、本町におきます保育の現状を正確に伝える必要があると考えております。その手法等につきましては、今後、状況等を踏まえつつ、町長部局と連携して適切に対応してまいりたいと考えております。
以上です。
中田議員
潜在的な移住希望者に直接アピールする必要性は感じているとのことです。
予測するからには、望ましい保育の実現かつ待機児童を発生させないための実効性がある対策となるように、予測を最大限に生かしていただきたいと思います。
次です。
予測した数値については、今後、町ホームページに載せておくことは当然として、事業者が住宅売買の際に購入者に周知するよう求めるなど、広く住民や移住を希望される、検討されている方に伝わるよう、あらゆる方法で周知に努めるべきと考えます。いかがですか。
教育こども部長
保育所等利用者数の予測がお示しできるようになりましたら、町ホームページなどで周知を図るとともに、開発行為を行う事業者との協議の際に、当該予測について御確認いただくなど、広く周知を行える手法について検討してまいりたいと考えております。
中田議員
ホームページだけでなく、広報しまもとにも載せるべきと考えます。いかがですか。
教育こども部長
保育所等の利用予測につきましては、町内で住宅開発を行う事業者に対し周知を行い、開発の時期や内容を検討・再考いただくために使用することが想定されます。広く町内外に情報を発信することができる町ホームページへの掲載が最も効果的である方策と考えますが、町内在住者を対象に配布している広報しまもとへの掲載や開発行為を行う事業者との協議の際にも提示するなど、目的に合致した、よりふさわしい周知方法について検討してまいりたいと考えております。
以上です。
中田議員
よろしくお願いいたします。
保育を巡る政策については、国のほうもいろいろと変わってくる可能性も報道等で示唆されている中で、なかなか難しいところだと思いますが、今回、予測を作るということになっているわけですから、予測の活用に当たっては、本町が望ましいと思う保育環境が保たれるように、最大限の工夫、そして、あらゆる施策を動員してやっていただきたいと思います。
以上です。