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2024/12 ①文書保存の考え方について②地球規模のプラスチック汚染について

  • 執筆者の写真: みどり 中田
    みどり 中田
  • 3月18日
  • 読了時間: 28分

中田議員(質問者席へ)

 2024年12月定例会議一般質問を行います。

 1つ目、「文書保存の考え方について」です。

 公文書は、住民の知る権利を保障して、開かれた町政を実現し、また、行政が説明責任を果たすための礎となるものです。その公文書の保存方法については、文書取扱規程に定められていますが、町は2023年度に改正しました。この件について、9月の委員会で少し取り上げたのですが、その際は限られた時間の中で十分な質疑ができませんでしたので、改めて問います。

 今年度の文書取扱規程の改正に当たり、町は文書の保存年限から永年保存というカテゴリーを廃止しました。その判断の根拠について、伺います。


総務部長

 それでは、中田議員の一般質問に御答弁申し上げます。

 1点目、「文書保存の考え方」のうち、「永年保存の廃止」についてでございます。

 国が保有する公文書に関する保存年限の規定については、公文書管理法施行令の別表において定められており、行政文書ファイル管理簿その他の業務に常時利用するものとして継続的に保存すべき行政文書以外の公文書については、30年以下の保存年限が設定されています。

 これは、公文書管理法の見解として、行政文書ファイル管理簿等の継続的に保存すべき行政文書以外の公文書については、30年以下の有期の保存年限を定めるという趣旨であると解されており、本町においても、国の公文書管理に係る運用を参酌し、永年保存文書を廃止し、最長の保存年限を30年と定めたものでございます。

 以上でございます。


中田議員

 公文書管理法を参考にしたとのお答えです。確かに、公文書管理令施行令別表では、全ての文書が有期になっています。しかし、一方で、法はその第1条で、行政文書の適正な管理に加えて歴史公文書の適切な保存及び利用を図ることをうたっています。また、公文書館法第3条では、地方公共団体の責務として、「歴史資料として重要な公文書等の保存及び利用に関し、適切な措置を講ずる責務を有する。」としています。つまり、公文書管理法は、歴史資料として重要な公文書等を保存することを重視していることが見てとれます。ここが、重要なポイントです。

 この観点から、本町の現状を考えたいと思います。

 例えば、町議会の議事録や都市計画審議会の議事録は、これまで永年保存する書類と分類されていたと思いますが、それでよいですか。また、変更後のそれぞれの保存年限はどうなっているか、伺います。


総務部長

 次に、「変更後の保存年限」についてでございます。

 本町における各種文書の保存年限の基準につきましては、島本町文書取扱規程の別表保存年限基準表に定める保存年限に沿って、各種文書の保存年限を設定することとなります。例に挙げられました町議会の議事録及び都市計画審議会の議事録については、令和5年度における保存年限は、永年保存文書となっております。

 なお、文書取扱規程の全部改正後の基準によりますと、町議会の議事録については、議決事項等の報告に関する文書として30年保存とすることが考えられ、また、都市計画審議会の議事録については、当該審議会が附属機関に当たるため、附属機関における会議の記録に関する文書として10年保存が適用されるものと考えられます。ただし、これはあくまで附属機関全般に関する一定の基準を示すものであることから、当該会議の重要性等を鑑み、30年保存として取り扱うことも可能であると考えております。

 以上でございます。


中田議員

 以前は永年保存だった町議会及び都計審の議事録は、今は、町議会の場合では30年、都計審の議事録では30年ないし10年ということです。

 今、お答えいただいたそれぞれの文書について、その保存が有期でいいと判断した理由は何か、伺います。


総務部長

 保存文書の有期化の目的といたしましては、永年保存文書に関する保存年限の見直しが適切に行われず、実質的に書庫内において塩漬け状態となってしまう可能性があることを改善するものであり、国の運用等を参考に取り入れたものでございます。

 例に挙げられた文書であっても、さきに述べた行政文書ファイル管理簿その他の業務に常時利用するものとして継続的に保存すべき行政文書以外の公文書に該当するものと判断し、有期的な保存年限を設定することは可能であると判断したものでございます。

 以上でございます。


中田議員

 つまり、これらの議事録は業務に常時使用するものではないから永年保存する必要がないということかと思います。そして、保存年限を過ぎた書類は、延長の可否を検討し、廃棄を決定した場合、適切に廃棄しなければならないとされています。ということは、現状の規定では議事録を廃棄することも可能になっているということです。

しかし、議事録等は、記録として、いつ参照の必要が発生するか分からない種類の文書です。常時利用しないからといって廃棄してしまうと、将来の町の政策決定に支障が生じるのではないでしょうか。

 質問です。

 府内で、永年保存というカテゴリーをなくした自治体はあるのか、伺います。


総務部長

 次に、「府内自治体の状況」についてでございます。

大阪府下全ての自治体を調査したものではございませんが、枚方市などの一部の自治体においては、永年保存文書を廃止し、30年保存を上限としているものと聞き及んでおります。

 以上でございます。


中田議員

 私自身で北摂の自治体をザッと調べて見ましたが、高槻、茨木、摂津、吹田、能勢、豊能、池田、箕面と、近隣自治体は全て永年保存がありました。府内でも、永年保存をなくしたところはそれほど多くない状況だと思われます。法第3条の地方公共団体の責務を鑑みれば、当然の状況かと思います。

 これに関し、町は今回の改正で永年保存をなくす一方で、「歴史的公文書の保存及び活用のために必要な措置を講ずる」という条文を追加しています。9月の委員会で行政は、第38条の規定により、歴史的文書については保存期間満了後も引き続き保管できるような仕組みづくりを検討していきたいと答弁しており、重要な書類を廃棄せずに済む道筋を開くものとして評価できます。しかし、現状の規定には、「歴史的文書」の定義が書かれておらず、どのような文書がそれに当たるか、はっきりしません。

 そこで、「歴史的文書」とはどういったものを想定しているのか、伺います。


総務部長

 次に、「歴史的文書」についてでございます。

現時点においては、歴史公文書の適用範囲や運用等については、調査・研究を行っているところですが、本町における歴史公文書の位置づけに関しては、公文書管理法に規定する歴史公文書等の位置づけを参酌してまいりたいと考えております。

 以上でございます。


中田議員

 つまり、まだ、何が歴史公文書か決まっていないということだと思います。

 ということは、現状、第38条は文言があっても使えない規定ということになると思います。具体的に、公文書管理法に規定する「歴史公文書等」とはどういう内容か、伺います。


総務部長

 公文書管理法第2条第6項において、「『歴史公文書等』とは、歴史資料として重要な公文書その他の文書」と規定されております。また、国の行政文書の管理に関するガイドラインによると、歴史資料として重要な公文書その他の文書とは、「【Ⅰ】国の機関及び独立行政法人等の組織及び機能並びに政策の検討過程、決定、実施及び実績に関する重要な情報が記録された文書、【Ⅱ】国民の権利及び義務に関する重要な情報が記録された文書、【Ⅲ】国民を取り巻く社会環境、自然環境等に関する重要な情報が記録された文書、【Ⅳ】国の歴史、文化、学術、事件等に関する重要な情報が記録された文書」と記載されております。

 以上でございます。


中田議員

 本町の文書では、どういうものがそれに当たるのか、伺います。


総務部長

 さきに述べたとおり、現時点においては、歴史公文書として取り扱う文書の範囲等を含め検討中ですので、具体的にどの文書が対象となるかについては、お答えいたしかねます。しかしながら、国の行政文書の管理に関するガイドラインでは、どのような文書が具体的に歴史公文書等に該当するのか等も示されており、本町においても、国や他自治体での運用を参考に、対象となる文書の具体化に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。


中田議員

 現在、検討中で、どの文書がそれに当たるかは答えられないとのことですが、先ほど紹介いただいた国のガイドラインの内容からすると、冒頭確認した町議会や都計審の議事録はこれに当たると思われますし、改正前までは永年保存の対象だった文書はおおむねこれに該当するのではないでしょうか。

 また、改正前にはルールの中に「永年保存」という文言はあったものの、どういった文書が重要な文書に当たるかというところは曖昧だったことも踏まえると、今回、国のガイドラインを参考に詳細を検討することは、大変よいことだと思います。ぜひ、前向きに進めていっていただきたいです。

 ここまで、文書取扱規程の改正に当たって、見受けられた課題をどう解決していくのかということについて伺ってきました。ここからは、現状の課題について、なぜ、このような状態になったのか、伺っていきます。

島本町文書取扱規程第9条に(文書の種類)という項目があります。改正後に、歴史的文書という文言を新たに加えたのであれば、ここで、どういったものがそれに当たるかの説明があるべきではなかったのでしょうか。


総務部長

 次に、「文書取扱規程第9条」についてでございます。

 歴史公文書に関する規定については、島本町文書取扱規程第38条に定めておりますが、さきに述べたとおり、現時点においては、歴史公文書として取り扱う文書の範囲も検討中であることから、第9条を含め、定義に関する規定を設けておりません。歴史公文書に関する取扱いに関し、制度設計ができ次第、その定義に関する内容についても別途定めさせていただく予定でございます。

 以上でございます。


中田議員

 そのように内容が定まっていない文言が含まれているのは、規程として不備があると言わなければなりません。

 なぜ、定義がない文言を規程の中に入れたのでしょうか。文書管理規程がこのような不備がある状態になってしまうことに問題があると思わなかったのか。これは町長に伺います。


山田町長

 島本町文書取扱規程の全部改正につきましては、令和6年度から導入している文書管理・電子決裁システムの運用を見据えた内容に見直すことを第一義的な目的として、改正をしたものでございます。

 その中で、町として、いまだ規定していなかった歴史公文書に関しても取組を進めようとする意思を示すために、第38条の規定を設けたものでございますが、さきに説明があったように、詳細については、現在未整備の状態となっております。この点に関しましては、議員御指摘のとおり、永年保存文書の廃止及び有期による30年保存等の規程改正と同時に整備しておくことで、より適切かつ明確に文書管理体制をお示しすることができたものと考えておりますので、本町といたしましても、今年度をめどに歴史公文書の位置づけ・選別や、文書保存期間延長・廃棄の統一的基準等に関し整備を進め、必要な文書を後世に引き継げるよう取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。


中田議員

 意思を示すため、定義のない文言を入れたという御答弁ですが、正直、当惑します。誰に、何の意思を示そうとしたのでしょうか。そして、何のために意思を示すのでしょうか。「必要な文書を後世に引き継げるよう」という御答弁ですから、30年の保存期間を超えて引き継ぐべき文書が存在することについては、町長も御認識されていることかと思います。であれば、やはり、今回の改正はよく理解できません。

 また、私は、同時に整備しようとは申していませんが、御答弁のとおり、歴史公文書の定義や取扱方法を整備した後に、保存年限の有期化を行っていれば、必要な文書が廃棄可能になるという現状の問題は生じなかったと考えます。

 次です。

 町が作成した「島本町情報公開制度の趣旨と解説」の中では、町が保有する情報は、住民の共有財産であると位置付けています。文書の中には、情報が含まれていますから、文書は住民の共有財産です。全ての情報を未来永劫保存する必要があるとは思わないですが、今回のように文書が保存できなくなるといった廃棄のルールを改変するときには、住民の同意が必要なのではないですか。また、これを行政の内部的な処理だけで決定するのは、情報公開条例の趣旨と照らし合わせてそごを来すものと考えます。この点、行政はどのように考えているか、伺います。


総務部長

 次に、「住民の同意」についてでございます。

 公文書に関しては、住民の共有財産であることは十分に認識しており、適切な文書管理を行うことは、町として最も重要な責務の1つであると考えております。

 今回の改正におきましては、文書の永年保存を廃止し、保存年限を最長30年とするものではありますが、30年経過後の文書においても、必要に応じて保存年限を延長することを可能としております。また、現在、整備中の制度ではありますが、歴史公文書に関する措置を確立することで、必要な文書を永続的に保存することも視野に入れ、事務を進めているものです。

 なお、文書の保存年限の設定につきましては、文書管理の運用の一部であり、町内部の事務処理に係るものであることから、町民の同意は要しないものであると判断しております。

 続いて、「行政内部で決定すること」についてでございます。

先ほど御答弁させていただきましたが、文書の保存年限の設定につきましては、文書管理の運用の一部であり、町内部の事務処理に係るものであることから、行政内部で検討し、決定することに関しては、情報公開条例の趣旨・目的に反するものではないと考えております。ただし、議員からお示しいただきました「公文書は住民の共有財産である旨」に関しましては、本町としても十分理解しており、議会等において御指摘いただいた点や、お尋ねのあった点について、行政主体の考え方ではなく、住民目線に立った制度の設計・構築をし、廃棄や保存年限の延長を判断することが必要であると認識しております。

 以上でございます。


中田議員

 一般論として、町内部の事務処理という点で、住民の同意が必要ないというのは、そのとおりだと思います。しかし、事は住民の共有財産の廃棄に係るものです。これは、一般の町内部の事務処理にとどまらない特別なものですから、一般論を適用してよしとされるわけではないと思います。

 この件に関して、再度、見解を求めます。


総務部長

 先ほどと重複いたしますが、町といたしましても、公文書は住民の共有財産であるといったことを念頭に置き、公文書管理を行っているところです。その中で、住民の意見を聞くといったことに関しては、様々な手法があるものと考えており、その1つとして、議員の皆様からいただきました御指摘や御質問に対して、傾聴する、説明責任を果たすといったことをもって、その目的は果たせるものと考えております。

 また、公文書管理に関しては、ただ残すといった考えではなく、必要なものを残すことが重要であり、その判断については、専門的な見地も必要であると考えますので、国や他の自治体等の取組を参考に、適切な文書管理を進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。


中田議員

 おっしゃるとおり、住民の意見を聞く手段の1つとして、議員とのコミュニケーションを用いることはあると思います。

では、今回の改正案ができてから決定するまでの間に、具体的な案について、議員の意見は聞きましたか。事実関係の確認です。


総務部長

 議員がお示しされている期間におきまして、文書取扱規程の具体的な案について、議員の意見を伺った事実はございません。

 以上でございます。


中田議員

 であれば、やはり住民の意見を聞かないままに、住民の共有財産を廃棄しやすくなるような規程の改正を行ったということになるように思えます。町所有の不動産は行政の判断だけでは処分できないのですから、それと類した扱いをすべきだったのではないでしょうか。

 さて、次です。

 文書の保存年限に関し、必要に応じて延長できるというものの、それは永年とは違います。言葉は、人の考え方を縛ります。永年保存がある状態を知っている職員や議員が入る今はともかく、時間がたって、すべての書類の保存年限が有期である状態しか知らない職員や議員ばかりになったときに、今と同じように適切に文書を保存し続けられるかは分かりません。にもかかわらず、全ての文書の保存年限が有期である状態で規程の運用が進められているのは、問題ではないでしょうか、伺います。


総務部長

 議員お見込みのとおり、保存年限の延長と永年保存は、その性質や取扱いについては異なります。また、今回の文書取扱規程の見直しにより、文書を有期化し、既に永年保存文書として保存しているものに関しても、30年の保存年限を超えるものについては、廃棄の精査対象としており、既に、この規定に関しては施行しております。

 見直しに当たりまして、文書の保存期間が満了した際に、これを残すか廃棄するかの判断につきましては、当該文書の保存年限が30年かどうかに限らず行う性質のものであり、その点では制度の立てつけは従来と変わるものではなく、現規程に問題があるものとは考えてはおりません。

しかしながら、さきの決算委員会で議員より御指摘いただきました保存年限満了の文書に関する延長措置の統一的な指標がないことなどの課題を踏まえまして、それらの指標等を示した上で、30年の保存年限を超える文書の廃棄や歴史的文書の判断等の事務を進める必要があるものと考えており、現時点において、廃棄処理を進めているものではありません。

 以上でございます。


中田議員

 改正前は永年保存とされた文書は、保存期間が満了しないのですから、残すか廃棄するかの判断は生じず、保存期間の変更が可能になるだけでした。ですから、制度の立てつけが変わらないという今の御答弁は、理解に苦しみます。そもそも、もし立てつけが同じなのであれば、改正の必要がなかったということにならないでしょうか。

ともあれ、町議会の議事録など、誰の目にも廃棄すべきでないことが明らかな文書は存在します。そのような文書を保存するための枠組は、一時的と言えどもなくすべきではなかったと考えます。

 質問です。

島本町情報公開条例第1条には、「開かれた町政を推進する上において、住民の『知る権利』の保障が必要不可欠である」とあります。一方、30年で文書を廃棄するということは、住民の知る権利を制約するものです。今回のルール変更において、この「住民の知る権利」の観点から検討は行われたのか、伺います。


総務部長

 次に、「知る権利の観点からの検討」についてでございます。

永年保存文書の見直しの目的といたしましては、永年保存文書が書庫等に保存されたまま、その必要性が見直しされることなく、塩漬け状態となっている状況を鑑み、30年を区切りとして、この必要性を見極めることを目的とするものです。

「知る権利」の観点から、文書をできる限り多く保存しておくことも一定考えられますが、行政が保有する文書は膨大であり、不要な文書と必要な文書が混在することで文書の特定が困難になることや、文書管理が煩雑になり、それに割く労力も甚大となること等を鑑み、必要な文書を精査・特定し、適切に保存する文書管理体制を整えることで、「住民の知る権利」と行政コストの関係を調整することができるものと考えております。

 以上でございます。


中田議員

 これが、知る権利と行政コストの関係を調整するものかどうかについては、聞いていないです。答えになっていないので、改めて伺います。

この改正案を考えるときに、「住民の知る権利」の観点から検討しましたか。


総務部長

 公文書に関しては、情報公開条例の目的である「知る権利」の保障を担う上で、非常に重要な財産であるものと理解しております。

今回、永年保存文書を廃止し、30年保存を上限とする旨の運用を検討するに当たっても、その点を十分に踏まえ、検証を進めたものです。したがいまして、文書の廃棄・延長措置等の文書の処分に関する取扱いについては、町として統一的な指標等を示し、不当に必要な文書が廃棄されることのないよう整備を図ることに努めてまいるものでございます。

 以上でございます。


中田議員

 「知る権利」の観点を十分に踏まえ検討したということですが、一方で、今、言われたとおり、全ての文書が有期になっており、それを補完するべき歴史文書に関しての詳細は未整備なままです。ということは、その検証の結果が反映されていないということではないですか。


総務部長

 保存年限経過後も、引き続き文書を保存するための補完的な措置といたしましては、「歴史公文書」と「保存年限の延長処理」の2つの措置を考えております。

一方、議員御指摘のとおり、これらの措置に関しては現時点で未整備の状態となっていることから、早期に整備できるよう努めてまいります。また、さきにも述べましたが、これらの措置が確立されるまでは、重要な住民の共有財産である永年保存文書等の重要な文書が不当に廃棄されることのないよう、文書管理担当課より各課へ周知する等して、情報共有させていただくものでございます。

 以上でございます。


中田議員

 重要な文書が不当に廃棄されることがないよう、全庁的に周知するということです。この対応は必須なものと考えます。ぜひ、よろしくお願いいたします。

 本件について、廃棄することがふさわしくないことが誰の目にも明らかな文書が、現状はどこかのタイミングで廃棄されることか基本になっており、保存を続けるには追加の判断をし続けることが必要だということは問題であると考えます。この問題に対して、不当な廃棄が起こらないよう、現状、一定の対策が取られること、また、歴史公文書の定義と扱いを整備することにより、適切な保存の道が開かれ得るということは理解できました。

 一方、なぜ、このような状態になってしまったかについては、納得のいく御答弁ではなかったように思えます。「知る権利」の観点から十分な検証を行っていたのであれば、歴史公文書の定義も整備されないままに、先行して保存年限の有期化を行うことはなかったのではないでしょうか。

 先日も、ある住民からこんな話を聞きました。昭和50年頃にあった水害について調べたいと役場に問い合わせたものの、庁舎移転の影響か分かりませんが、記録が残っておらず、知りたい情報を得ることができなくて困ったとのことです。いかに情報公開制度が整っていても、記録そのものが残っていなければ、住民はその情報にアクセスすることはできません。国のガイドラインによると、災害の記録は歴史公文書に該当しています。その教訓を将来に生かすべきであることは言うまでもありません。

 今回の一般質問のタイトルは、「文書保存の考え方について」です。ただの文書保存についてではなく、その考え方について問いたかったからです。文書管理において、業務の効率化・適正化という観点はもちろん重要ですが、そのような行政運営のロジックだけではなく、住民にとっての利益という観点も同様に重要です。住民の共有財産であり、現在と将来の住民の「知る権利」を保障する重要な知的資源である公文書を守り、次世代に受け継いでいくこと、それこそが文書管理の真の目的だからです。その目的を忘れた業務の効率化は無意味です。このことを強く訴えて、本質問については終えたいと思います。

 


 2つ目、「地球規模のプラスチック汚染について」です。


 世界のプラスチックの生産・使用量は増加を続けています。2年前のOECDの報告書によると、世界のプラスチックの生産と廃棄量は過去20年で倍増しています。そして、2019年だけでも、適切に処理されなかった210万トンのプラスチックが環境に流出しているなど、プラスチックによる環境汚染が深刻化しています。この問題を重く見た国際社会が、先日、プラスチック汚染根絶のための国際会議を開催したことも記憶に新しいところです。

 本町も、人類社会の一員としてプラ汚染対策に取り組まなければならないわけで、既に本町はプラスチックスマート宣言をしています。それから3年、取組状況とその成果について伺います。


都市創造部長

 続きまして、2点目の「地球規模のプラスチック汚染について」のうち、「プラスチックスマート宣言」についてでございます。

本町の「プラスチックスマート宣言に伴う取組状況と成果」についてのお尋ねでございます。

 本町のプラスチックスマート宣言につきましては、大阪府のプラスチックごみによる汚染の防止に向けた取組に賛同し、本町におきましても、使い捨てプラスチック削減の推進や資源としてのさらなる循環を目的に、令和元年5月31日付で、適正に処理されないプラスチックがゼロとなるよう、様々な取組を進めていくことを宣言いたしております。

 具体的な取組状況と成果につきましては、ペットボトルなどの使い捨てプラスチックの使用削減を推進し、海洋汚染防止のほか、ごみの減量や地球温暖化対策等に資することを目的として、おおさかマイボトルパートナーズに加盟し、給水機のレンタルを行う事業者と令和3年9月28日に使い捨てプラスチックの使用削減の推進に関する連携協定書を締結し、役場庁舎やふれあいセンターなど、一部の公共施設に給水機を設置いたしております。その成果といたしまして、地域の皆さんがマイボトルを持参し、当該給水機を活用していただいていることで、1か月約1,400本の500ミリリットルのペットボトルの削減効果となっております。

 令和5年5月25日には、町内事業者と、安定的にペットボトルとしてリサイクルすることを目的に、水平リサイクルに係る協定書を締結したほか、平成30年4月1日には、北摂地域におけるマイバッグ等の持参促進及びレジ袋削減に関する協定書を締結し、プラスチックポイ捨てへの未然防止やエコバッグ持参によるレジ袋削減の推進などの取組を行った結果、町内におけるマイバッグ持参率は、現在、約86%となっております。

 さらには、令和5年12月1日に、その後継事業となる食品ロスの削減及び容器包装を含めたプラスチックに係る資源循環の促進等に関する協定を締結し、国の目標を踏まえ、食品ロス及びワンウェイプラスチックや容器包装の排出抑制などに向けて、積極的に取り組んでおります。

 以上でございます。


中田議員

 給水機設置で月1,400本のペットボトル削減効果があったとのことです。9月の決算委員会でも、ペットボトルの収集量が前年と比較して500キロほど減少していることも確認しています。500ミリリットル1本当たりの空のボトルを20グラムとすれば、年間2万5,000本分が減っている計算です。

 とは言え、住民1人当たりで考えると、年1本にも満たない数です。日本人の年間ペットボトル消費量は100本のオーダーだそうで、年1本ではほんのささやかな減少にしかなりません。さらなる取組が必要です。

 また、プラスチック問題の解決には、そもそもプラごみを出さないようにすることが肝要です。その点で、1年前に北摂自治体と事業者の間で結ばれた協定、排出抑制に関する協定は重要ですが、残念ながら、その動きがなかなか見られません。町としても、事業者への積極的な働きかけを続け、成果を出してください。

 次の質問です。

2年前には、プラスチック汚染を終わらせるという決議が国連で採択されています。日本は、2025年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにまで削減することを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の提案国でもあります。本町もプラ汚染ゼロを目指し、対策を量的に拡大していく必要があると思います。今後の取組について伺います。


都市創造部長

 「プラスチック汚染ゼロに向けた今後の取組」についてのお尋ねでございます。

 プラスチックごみにつきましては、御指摘のとおり、2019年のG20大阪サミットにおいて、大阪ブルー・オーシャン・ビジョンが共有され、2050年までに海洋プラスチックごみにおける追加的な汚染をゼロにまで削減することを目指すこととされており、また、2022年には、国連において、日本が提案した内容や考え方が大きく反映されている「プラスチック汚染を終わらせる:法的拘束力のある国際文書(条約)に向けて」の決議がなされたところでございます。

 このことから、本町といたしましても、先ほど御答弁申し上げましたプラスチックスマート宣言に基づく使い捨てプラスチック使用削減を目的とした公共施設への給水機の設置や、安定的にペットボトルとしてリサイクルすることを目的とした水平リサイクルの取組を継続するとともに、国や大阪府をはじめ他市町村の動向を注視しながら、効果的な取組について検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。


中田議員

 プラ汚染ゼロに向け取り組まなければならないと思っているものの、具体的な案がないという状況かと思います。

これについては、以前から私が申し上げているように、まだ様々な取組があると思います。例えば、プラ容器包装を削減するように町内事業者に働きかけるですとか、公共施設の自販機でのペットボトル飲料の販売を中止する、給水スポットについて公共施設だけでなく町内事業者にも設置をお願いする、町内イベントでリユース食器の利用を促進するなど、それほど予算をかけずともできることはまだまだあります。

リサイクルは、永遠にできるわけではありません。繰り返し申し上げますが、そもそもプラごみを出さないということ、この視点からの対策が重要と思います。今後の取組拡充に期待します。

 次の質問です。

 町は宣言の説明として、以下のように述べています。「ポイ捨てにより適正に処理されなかったプラスチックが、河川などを通じて海へ流れ込み、海洋環境や生物に深刻なダメージを与えていることが、近年、地球規模で問題となっており、マイクロプラスチックによる生態系への影響も懸念されています。」と。本町においては、水無瀬川、その他水路、小河川からプラごみが淀川へ流出していかないことが重要です。この点、どのような対策をしているか、伺います。


都市創造部長

 次に、「水無瀬川、その他の小河川における対策」についてでございます。

 マイクロプラスチックによる生態系への影響に対する対策についてのお尋ねでございます。

本町は海と隣接していないものの、町域内に流れる各水路をはじめ水無瀬川や下流域に位置する淀川などの河川があることからも、マイクロプラスチックによる防止対策につきましては、重要な課題であると考えております。

 マイクロプラスチックは、ポイ捨てされたプラスチックごみが風や雨によって河川などに入り、小さな破片となってマイクロプラスチックになるため、継続的に適切なごみ収集を実施することや、不法投棄への迅速な対応が、マイクロプラスチックの削減、さらには、生態系への影響を軽減できる防止対策につながるものと考えており、これらの取組を継続的に取り組んでいるところでございます。

今後も引き続き、マイクロプラスチックの排出抑制に向けた取組に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。


中田議員

 現状、取り組んでいるのは適切なごみ収集と不法投棄対策ということですが、重要な課題と捉えておられる割には、対策が弱いように感じます。

私が知る限り、現状、複数の団体や個人の方が、水無瀬川でごみ拾いを行ってくださっていると認識していますが、にもかかわらず、水無瀬川が淀川に合流する場所付近には、多くのプラスチックごみがいつもたまっています。私も水無瀬川で個人的にごみ拾いをしていますが、拾っても拾っても、少したてば、また同じぐらいたまっているといった状況で、切りがないと感じています。

 そこで、水無瀬川のごみの発生源を特定し、対策を取ることが有効だと考えますが、どうお考えか、伺います。


都市創造部長

 「水無瀬川のプラスチックごみに対する対策」についてのお尋ねでございます。

水無瀬川におきましては、現在、多くのボランティア団体により清掃活動を実施していただいており、一定の美化が保たれておりますが、ポイ捨てや不法投棄等により、プラスチックごみが確認されている状況でございます。プラスチックごみの発生原因につきましては、ポイ捨てや不法投棄によるものなど様々な原因が考えられることから、効果的な対策を講じることは課題が多いものと考えております。

 そのため、今後につきましては、大阪府・大阪市が共同で策定しております大阪ブルー・オーシャン・ビジョン実行計画で示されている調査結果をはじめ、これらを踏まえた他市町村の動向や効果的な取組、また、島本町環境基本計画での取組であるごみマップの作成を通じ、河川のごみの散乱状況等を把握し、効果的な取組が実施できるよう、併せて研究してまいりたいと考えております。

 以上でございます。


中田議員

 ごみマップの作成を通じ、河川のごみの散乱状況等を把握し、対策につなげていくとのことです。発生源を特定するなどして、プラスチックを含む河川及び水路等のごみゼロに向けて取り組んでいっていただきたいと思います。

 同時に、清掃活動の頻度を上げることも量的拡充の1つです。水無瀬川は、島本町の水と緑の象徴的存在です。ボランティアまかせではなく、行政としても予算をかけてでも清掃を行い、清掃の頻度を上げるよう検討すべきではないですか、伺います。


都市創造部長

 「水無瀬川の清掃活動に伴う頻度」についてのお尋ねでございます。

水無瀬川につきましては、アドプトリバーなど、地域の方々と連携したボランティア活動をはじめ、河川管理者である大阪府におかれまして、維持管理が行われているものと認識いたしております。本町といたしましても、水無瀬川は町域内を流れる主要な1級河川であり、適切な管理により、上流の水無瀬川の自然環境の保全に努めることで、淀川や大阪湾へのプラスチックごみ排出を抑制することにつながるものと考えております。

 このことから、今後におきましては、大阪府との連携をより一層深め、水無瀬川の美化向上に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。


中田議員

 他自治体では、河川に特化した浄化月間ですとか、クリーンキャンペーンみたいなものを設定して、積極的に自治体として河川清掃に取り組んでいるところもあります。府との連携をより一層深めていくということですので、そうした機会――府もクリーンキャンペーンなどやっておりますが、連携して、町としても積極的にそういう機会を設定・活用して、水無瀬川のプラごみを含めたごみゼロに向けて、主体的かつ積極的に参加して、清掃活動も行っていっていただきたいと思います。

 ここに至るまでも対策は取られていると思いますが、今後もより一層、水無瀬川を含め島本町からプラスチックごみが出されないことに向けて、量的拡大をしていってほしい、このことを訴えまして、質問を終わりといたします。

 以上です。


清水議長

 以上で、中田議員の一般質問を終わります。

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2024/9 改めて、命を守る避難所運営・備えを!

中田議員(質問者席へ)  2024年9月定例会議、一般質問を行います。  「改めて、命を守る避難所運営・備えを!」です。  先日、南海トラフ地震臨時情報として、初めて巨大地震注意が出されました。このことにより、南海トラフ地震が今後30年のうちに80%の確率で発生が予想される...

 
 
2024/6 攻めの自然環境施策ーもっと予算を!

中田議員(質問者席へ)  2024年6月定例会議の一般質問、「攻めの自然環境施策――もっと予算を!――」を行います。  最近、よく耳にするようになった言葉に、ネイチャーポジティブというものがあります。日本語で言うと「自然再興」で、「自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損...

 
 
2024/2 教員による不適切な指導をなくすために

中田議員(質問者席へ)  2024年2月議会、一般質問を行います。  「教員による不適切な指導をなくすために」です。  昨年公表された国の調査では、不登校の小・中学生が過去最多となりました。この要因ですが、学校側の認識としては、「無気力・不安」が小・中学校とも最多で約半数を...

 
 
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