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2019/2 住民は島本駅前に高層マンションができることをのぞんでいるのか?

  • 執筆者の写真: みどり 中田
    みどり 中田
  • 2019年2月28日
  • 読了時間: 31分

更新日:1月20日

 

中田議員(質問者席へ)

 2019年2月定例会議一般質問を行います。

 「住民は島本駅前に高層マンションができることをのぞんでいるのか?」です。

 先ほど、河野議員からも言及がありました。先日、「第五次島本町総合計画」策定のためのアンケート調査結果報告書が出ました。無作為抽出で選ばれた3千人のうち、回答した1,615人の方の希望する将来の町の姿として、最も多かったのが「水や緑が豊かなまち」でした。また、自由記入欄では「マンション建て過ぎ」「自然を残して」と、これ以上の開発に疑問を呈する声が圧倒的でした。加えて、駅西の高層マンション建設計画の見直しを求める署名は、すでに4千筆を超えています。

 さらに、ここ数年は、計画見直しを求めて多くの住民が声をあげています。現行の駅西地区の都市計画案には、多くの住民が不満を感じているということです。

 この件について、町長の見解を求めます。

 

山田町長

 それでは、中田議員の一般質問にご答弁を申し上げます。

 まず、「アンケート、また署名等をいただいたことに関する見解について」でございます。

 町といたしましては、これまでにいただいたご意見に加え、「第五次島本町総合計画」の策定に関する住民アンケートや、町内外各所からいただいた4千通を超えるご署名については、重く受け止めさせていただいているところでございます。

一方、土地区画整理事業を計画されております準備組合における地権者等のご意見についても住民の皆様のご意見であり、すべての住民の皆様にご理解をいただきながら、円滑にまちづくりを進めていくことは、非常に難しいことであるものと認識をしております。

 このような状況を踏まえ、町といたしましては様々な観点から熟議を重ね、JR島本駅西地区は、住民の皆様が暮らしやすい多様な都市機能がコンパクトに集約されたまちづくりを行うためのポテンシャルを十分に兼ね備えていることから、当該地区のまちづくりは必要であり、今後、予測される急激な人口減少の流れを少しでも食い止め、生産年齢人口の増加により町全体の活性化に繋げていくとともに、町の玄関口としてふさわしい地域にしてまいりたいと考えております。

 なお、いただいたご意見やご署名については、その趣旨等について、町のまちづくりの参考とさせていただくとともに、よりよいまちづくりを実施するために必要があると判断したものにつきましては、事業に反映していただけるよう、事業主体でございますJR島本駅西土地区画整理準備組合と協議を進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

中田議員

 今、最後のご答弁で「事業に反映」とか「準備組合と協議」という答弁がありました。この件に関しては、私は一貫して都市計画について問うています。住民は、高層マンションが建てられることを可能にする都市計画を考え直して、と言っているのです。確認ですが、都市計画の主体は誰ですか。

 

山田町長

 都市計画の主体は、町でございます。

 

中田議員

 私も住民の皆さんも、主体が町である都市計画について意見しています。事業のことについては論じていません。前提条件として、準備組合はあくまで民間です。町の決めた都市計画のもとで事業をするべきであるという、この前提条件を確認しておきたいと思います。

 続けて質問です。ご答弁から、現行計画を進めていくと理解されたのですが、高層マンションが要らないという住民の意見がとても多いという、先ほど「重く受け止める」と言われましたが、高層マンションが要らないという住民の意見がとても多いという認識はありますか。

 

山田町長

 先ほどご答弁を申し上げましたとおり、「第五次島本町総合計画」の策定に関する住民アンケートでの自由回答や、町内外各所からいただいた4千通を超えるご署名などを踏まえると、多くの方が関心を持たれ、反対のご意向を持っておられるものと認識をしております。

 以上でございます。

 

中田議員

 反対の意向持つ住民が多くいるという認識がありながら、現行計画を進めていくと言っていると。それが問題がないと考えているのでしょうか。その根拠は何ですか。

 

山田町長

 先ほどもご答弁を申し上げましたとおり、マンション建設について多くの方が関心を持たれ、反対のご意向を持っておられることについては認識をいたしております。一方、現行の都市計画原案における駅前の住宅エリア①におきましては、高さの最高限度を50mとしており、本エリアにつきましては、事業費をまかなうための保留地処分金にも影響を及ぼすことから、慎重に取り扱う必要があるものと考えております。

 これらを鑑み、本町といたしましては、町の玄関口である当該地区の無秩序な開発を防ぎ、組合施行の区画整理事業を確実に実施するため、本地区における都市計画の変更につきましては、適正であるものと考えております。

 なお、いただいたご意見につきましては、町といたしましても重く受け止めており、まちづくりの参考とさせていただくとともに、より良いまちづくりを実施するために必要と判断したものにつきましては、事業に反映していただけるよう、準備組合の皆さんと協議を進めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

 

中田議員

 行政は、住民アンケートの結果を受けても、都市計画の変更について適正であると言っているということは、行政判断の考えに誤りはないと考えているのでしょうか。であれば、その根拠は何ですか。多数の住民が反対の意向を持っていると認識している。それでも、行政として計画を進めるというのであれば、その住民意向が誤っていると主張されているのでしょうか。

 この3点について、町長の見解を問います。

 

山田町長

 住民意見に関するご質問でございます。

 先ほど来、ご答弁を申し上げているとおり、住民アンケート等でいただいたご意見も、土地区画整理事業を実施されている地権者の皆様のご意見も、住民意見であるものと認識をいたしております。当然ながら、「第五次島本町総合計画」策定に際してのアンケート調査の結果につきましては重く受け止める必要があるものと考えておりますが、町の各種計画における当地区の位置づけ等踏まえますと、行政としての判断に誤りはないものと考えております。

 なお、住民の皆様におけるご意見につきましては、様々なご意見をお持ちであることから、いずれのご意見につきましても、誤りであるとの認識はございません。

 以上でございます。

 

中田議員

 いずれの住民意見も誤りでないということはよくわかるのですが、私が問うているのは、多くの反対の意向があると認識しているのに、このまま進めるという行政判断は、多くの反対の意向は間違っていると言っているのに等しいということです。

 先ほど、各種計画も判断の根拠としてあげられていますが、その件は後で質疑します。

 そして、言い換えれば、多くの反対の意向を持つ住民意見を聞くことは町のためにならないと判断していると理解できるのですが、お尋ねです。「町のため」というのは誰が決めるのかということです。行政の考え、判断は、住民の同意があってはじめて正当性を持つものです。町長は、住民の希望を間違っていると退けるのでしょうか。行政に判断権がある根拠は何ですか。

 

山田町長

 反対意見を含め、様々な意見や価値観が存在するということは、多様性のある健全な社会において必要な要素であり、他者の人格を否定するような極端な場合を除きましては、多くの場合、いずれかの意見が絶対的に正しく、あるいは間違っているということではないというふうに考えております。

 「総合計画」策定にかかる住民アンケートの自由意見では、行政に対する様々なご意見が寄せられました。このうち、マンションの増加を懸念する趣旨のご意見が100件程度あり、これが回答者全体の約6%にあたりますことから、他の様々なご意見とともに、一定の住民意向として受け止めていく必要があると考えております。

一方で、あまりにも住民の意向と乖離した判断は、行政としてすべきではないものと考えております。しかしながら、住民の代表である議会において意思決定されたものについては尊重する必要がありますし、また、議決事件以外の部分においても一定の配慮が必要であると考えております。そのため、これまでの経過を踏まえたうえで、行政として意思決定をさせていただいたことは、計画的に事業を推進していく必要があると考えております。

 従いまして、改めて申し上げますけれども、反対のご意向がすなわち間違っているという認識ではないことだけは申し添えておきます。

 以上でございます。

 

中田議員

 言うまでもないことですが、行政には単独で意思決定をする権限はありません。あるとしたら、選挙で選ばれた町長だけですが、町長も本質的には住民の代理人です。住民の意思に拘束されるわけです。先ほども言われましたように、住民の意向と乖離した意思決定にならないよう、よろしくお願いいたします、行政としてですね。

 二つ目の質問に行きます。1月18日・19日に行われた駅西の都市計画案に関する説明会、参加人数と、住民の皆さんから出された質問について、伺います。

 

都市創造部長

 続きまして、「都市計画案に関する説明会について」でございます。

 本年1月18日及び19日に開催いたしました都市計画案に関する説明会につきましては、1月18日に103名、19日に145名のご参加をいただきました。

 当日は、「都市計画の案については、今後も住民意見を反映させることはできるのか」「50mのマンションが建築可能となる最高限度高度地区を見直すべき」「もっと農との共生を図るべき」といった都市計画案に関するご意見や、「財政効果について、支出の内容が出ていないものがある」、保育需要について「現在も待機児童が発生しているにも関わらず、さらに人口が増加するような計画を町は良しとしているのか」といった人口増加への対応に関するご意見や、「このまちづくりを進めることの必要性については、住民全員に聞くべきではないのか」といった町の方針等に関するご意見を頂戴したほか、「地権者も高齢化しているので早く進めてほしい」といった事業の早期着工にかかるご意見等、様々なご意見、ご質問をいただきました。

 なお、当日いただいたご意見・ご質問のうち、後日お示しさせていただくことといたしておりました財政効果の詳細や、「都市緑地法」の認識、調整池の容量計算の詳細については、現在、町ホームページ及び文化・情報コーナーでもお示ししております。

 以上でございます。

 

中田議員

 後日、ホームページ等に示されたものですが、そのうちの「財政効果」についててす。

財政効果についての回答は、答えたことになっていなかったと思います。行政は、人口2,250人シナリオで三小の増築を認めています。財政効果の計算に組み込む必要があることについては、住民から再三指摘があったのに、やっていない状態で回答されました。そして、それをしない根拠も到底納得できません。組み込まない根拠は「不確定だから」というものですが、そもそも試算というものはすべて不確定なものです。その二つのどこが違うのか、説明を求めます。

 

総務部長

 「財政効果について」でございます。現在、お示ししております財政効果につきましては、現時点で算定することが可能である数値をもとに算定させていただいているものでございます。

 なお、第三小学校に関わる施設整備費用につきましては、将来的に対応が必要となった場合の整備内容・手法等について、現時点で不確定要素が多いことから、具体的な費用の算出は困難であるため、町ホームページには過去の事例をお示しさせていただいたものでございます。

 以上でございます。

 

中田議員

 行政として、三小の児童数予測まで、もう12月に出しているにも関わらず、数値が出ないというのは意味がわかりません。財政課には、これまでも再三、この出費については示すように住民からも、私からも言っているところですが、ここに至ってもしないということは、財政課には算定をする気がないと言っているに等しく感じられます。であれば、新しい事業などに手をつけるべきではないと考えます。

 次の質問に移ります。説明会では、人口フレームについて質問がありました。「第四次総合計画」の人口フレームは、これについては河野議員と戸田議員が再三質問をされたところですが、私もこれについて問います。

 人口フレームは、駅西の開発の前に達成されることが見込まれています。計画との整合性がないという意見に、

総合政策部長

が審議中の「第五次総合計画」の中で話し合われると回答されました。今回の都市計画の人口フレームは、第四次と第五次の、どちらの計画に基づいているのでしょうか。

 

総合政策部長

 「総合計画」等における人口目標につきましては、あくまで新たな住宅開発や既成市街地の活性化等も視野に入れ、概ね10年後の人口規模の目安として設定しているものであり、目標値の超過または不足に対して制限を設けるものではございません。

 ご指摘の説明会においては、このような前提を踏まえ、「第四次島本町総合計画」においては3万2千人という目標を立てている状況であり、現在、「総合計画」の見直しの時期であるため、今後10年間の計画の見直しとしての人口推計は、これから総合計画審議会でご審議いただく、ということを申し上げたものでございます。

 なお、JR島本駅西地区のまちづくりにつきましては、本町におけるこれまでの「総合計画」に位置づけられた取り組みですが、「第四次総合計画」の目標人口は、今回の都市計画の人口フレームとしてお示ししている1,250人というような、個々の詳細な数値を積み上げて作成したものではございません。

 以上でございます。

 

中田議員

 3万2千人が積み上げた数字でないことはわかります。しかし、人口はすべてのいろんな計画の、まちづくりなどの根底になる数字であり、ここを行政としてコントロールしようとしないというのであれば、計画そのものが無意味になります。目標を定める以上、その実現に向けて努力するのは行政の責務であり、今回のこのご発言は、それを放棄すると言っているに等しいです。

 質問です。今回の市街化区域の編入にあたって、市街化は人口を誘導するためにあるものだと思います。この地区に、これだけの人口を誘導したいから都市計画を変更するのだと、そういう理解でよろしいですか。

 

都市創造部長

 議員ご指摘のとおり、当地区の市街化区域の編入に際しましては、駅前という地理的な特性等を鑑み、一定の人口を誘導し、もって今後予測される急速な人口減少の流れを少しでも食い止め、生産年齢人口の増加により、町全体の活性化等に繋げてまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

 

中田議員

 人口を誘導するための市街化ということです。住民の出生数が増えるなどして、自然とその値を人口が超えてしまうというのでは問題ありませんが、「第四次総合計画」の人口フレーム3万2千人が達成される見込みであれば、わざわざ行政として主導して人口を増やす必要はないのです。もし、人口を誘導するというのであれば、すべての計画を立て直す必要があります。もしくは今回の都市計画案の中身を変更し、すべてを学校なり公園なり、住宅以外ですね、人口を誘導するもの以外で埋め尽くすのであれば、整合性があります。計画を作り直すべきだと考えますが、いかがですか。

 

総合政策部長

 先ほどもご答弁いたしましたとおり、「総合計画」等における人口目標につきましては、あくまで新たな住宅開発や既成市街地の活性化等も視野に入れ、概ね10年後の人口規模の目安として設定しているものであり、目標の超過または不足に対して、何ら制限を設けるものではございません。

 以上でございます。

 

都市創造部長

 今回の都市計画における土地区画整理事業区域の計画人口につきましては、現行の大阪府が策定されております「北部大阪都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」、いわゆる「都市計画区域マスタープラン」の期間、つまり、平成32年までにおける人口フレームとして1,250人という計画人口となっております。

 従いまして、「第四次総合計画」の目標を達成したという理由により、現在進めております都市計画の内容を変更しなくてはいけないという認識はございません。

 以上でございます。

 

中田議員

 総合政策部長によって何度も言われています、計画に制限されるものではないと、つまり拘束されるものではないということですが、これで「計画」と言えるのでしょうか。町長、お答えください。

 

山田町長

 「総合計画」はまちづくりの基本的な指針であり、今後、目指すべき方向性や目標などをお示しするものでございますので、それに沿った形で町政運営を進めるということは必要であると考えております。ただ一方で、全国のほとんどの自治体で「総合計画」が策定されており、また、その中で人口推計や目標人口が掲げられておりますけれども、議員のご指摘のような、「総合計画」において地域内人口の許容上限を定めたり、人口が目標値に達する見込みを根拠に、その制限を行うといった事例もまた、今のところ、私は承知をしておりません。

 ただ一方で、計画に基づき、総合的に行政を推進していくうえで、本町においては特に保育環境など、人口増加に伴う基盤整備が十分に追いついていない状況にあることは課題でございます。今後のまちづくりも踏まえた計画的な対応を行っていく必要があることにつきましては、十分、認識をしているところでございます。

 以上でございます。

 

中田議員

 目標というのは、そこに向けて努力する必要があるということを含意しています。計画とは、辞書によると「物事を行うために、その方法、手順などを、筋道を立てて企てること」とあります。ここで人口3万2千人を入れ込んで見ると、人口3万2千にするために住宅開発や市街地の活性化を企てる、というふうにも言えます。それは近々達成されるわけです。つまり、人口を誘導するために行う駅西の開発は、「総合計画」と整合しないと言えます。

 今、町長も言われました。想定以上のスピードで人口が増えれば、保育・教育施設その他、社会インフラの整備が必要になります。無尽蔵に予算があるわけではありませんから、計画的に整備していかなければならないという状況にあたって、その根拠となる人口をコントロールする努力を行政としてしないのであれば、インフラ整備も場当たり的になり、非効率かつ施設需要に整備が追いつかないという、今のような状態がさらに加速化します。今も保育所問題で起こっていることが、まさにそれです。このような無責任な行政の被害を受けるのは町民です。西側の市街化区域編入も、同じことが起こり得ます。

 質問です。先ほど、都市創造部長が府の計画に基づいていると言われました。町の未来を、府の計画だけにゆだねるということですか。町の自主性はないのですか。

 

都市創造部長

 今回、大阪府が策定されております「都市計画区域マスタープラン」をあげさせていただいたのは、区域区分変更の実施主体が大阪府であるためでございます。当然ながら、区域区分の変更につきましては、当該地区でまちづくりを実施する可能性が高まったため、町のほうから大阪府との協議を進めさせていただいているものであり、町の未来を大阪府の計画にゆだねるといった認識はございません。

 以上でございます。

 

中田議員

 改めて、町が主体的にされているということが確認されました。

 では、質問の冒頭、町の判断の根拠として各種計画をあげておられましたが、そもそも町の最上位計画である「総合計画」のどこに、西側を開発する根拠があるのか。島本駅周辺の「市街地の整備」や「活性化が期待される」という文言はありますが、西側とは書いていません。東側でも良いわけです。西側を特定しないので、やらなくてはいけない根拠にはなりません。しかも、現状では目標人口と駅西開発の方向性との間に矛盾が生じています。そのような状態で、町が率先して駅西の市街化は進めるべきではありません。一度、この点について整理が必要な状態であると考えます。幸い、「第五次総合計画」策定のタイミングです。いったん、一から駅西の市街化については、よく考え直すべきだと考えます。

 次の質問です。説明会の話に戻ります。

 2日目にも、多くの挙手がある中、時間か来たからと行政は説明会を打ち切りました。住民にとっては、多くの疑問が残ったままの説明会でした。説明会では、先ほどあげていただいた質問のほか、行政の回答期限を決めて、というものもありましたが、結局、回答が示されたのは公聴会の当日でした。その他、説明会後に町に寄せられた都市計画に関する質問の回答は、まだできていないと聞いています。

 そのような状態で、住民は公聴会の日を迎え、口述を行うことになりました。都市計画運用指針によると、公聴会は、住民がその内容を十分に把握したうえで、公開の場で意見陳述を行うための場であるとされています。今回の町のやり方は、公聴会を形骸化させていると考えますが、いかがですか。

 

都市創造部長

 1月18日・19日に開催いたしました都市計画案に関する説明会につきましては、都市計画の内容だけでなく、多くのご意見、ご質問をいただくことを想定し、関係部局の担当部長以下関係職員が出席させていただきました。

 当日は、都市計画の内容そのものではなく、都市計画から派生したまちづくりに関する財政効果などのご質問をいただいたため、公聴会までにお答えできなかったものもございますが、都市計画の内容そのものについて説明不足であったという認識はないため、また現に多くの方々に公聴会にご参加いただいており、公聴会が形骸化しているとの認識はございません。

 以上でございます。

 

中田議員

 問題がないとの認識の根拠は何でしょうか。私は、情報公開請求をしました。先ほども申し上げたとおり、説明会後に、説明会に関する質問・要望・苦情が17件もありました。説明会に対する不満の内容でした。それは認識していますか。

 

都市創造部長

 ご指摘のとおり、1月18日・19日に開催いたしました都市計画にかかる説明会以降、追加の質問にかかる文書をいただいており、町からの説明内容に対し、ご納得いただいていない方がいらっしゃった等の認識を持っているところではございます。しかしながら、先ほどもお答えいたしましたとおり、これによって都市計画の内容そのものについて説明不足であったという認識や、公聴会を形骸化しているという認識はございません。

 以上でございます。

 

中田議員

 説明不足ではなかったという認識・主張には、説得力がないように感じます。

公聴会は十分な理解のもと、行われるべきものです。それが満たされていないのに、外形的に公聴会に人が来たんだからいいんだという答弁自体が、形式に堕していることの証明ではないでしょうか。

 質問に移ります。そもそも、回答ができないような状態で説明会をしたということが問題です。財政効果も調整池も、説明会で初めて出された意見ではありませんでした。なぜ、答えが出せないような状態で説明会をしたのですか。

 

都市創造部長

 財政効果や調整池にかかるご意見やご質問については、タウンミーティング等においてもご質問いただき、その場でお答えできるものについてはお答えさせていただいております。しかしながら、先ほども申し上げたとおり、財政効果や調整池などについては、都市計画の内容そのものではなく、都市計画から派生したまちづくりに関するご質問であるため、内容が多岐にわたり、すぐにはお答えできないものや、お答えすること自体が容易ではないものもあることについて、ご理解いただきたいと考えております。

 なお、説明会当日、後日、お示しさせていただくことといたしておりました内容につきましては、現在、町ホームページ及び文化情報コーナーにおいてお示しいたしております。

 今後につきましても、ご質問等いただいた内容につきましては、可能な限り、お答えできるよう努めてまいりたいと考えております。

 

中田議員

 たびたび言いますが、説明会で出された質問は、その場で初めて出たものではありません。答弁にもあったように、タウンミーティングや意見書などで散々問われていたことであり、また答えられないというのは、単なる怠慢だと住民は捉えることだと思います。

 一方で、職員の皆さんが熱心に仕事をされていることは承知しています。結局、キャパオーバーではないかと、行政の仕事が、感じます。拙速に計画を進めるのではなく、いったん時間をかけて、住民の納得、合意形成のために、今回の都市計画案の変更手続きを見送り、時間をかけて取り組むべきと考えますが、いかがですか。

 

都市創造部長

 先ほどもご答弁申し上げましたが、事前にタウンミーティングや意見書などにおいて、ご意見いただいていても、お答えすること自体が容易ではないものがあるものと考えております。しかしながら、当該地区のまちづくりにつきましては、本町の各種計画に位置づけられたものであり、当該施策の実施により町全体の活性化に繋げていく必要があると考えていることから、町といたしましては、最少限の人材で最大限の効用を得るべく、当該施策を進めていく必要があるものと考えております。

 

中田議員

 この期に及んでも答えられないというのは、この計画が矛盾の塊だからではないでしょうか。進めるべきではないことの証拠だと感じます。

 次の質問に移ります。「総合計画」のアンケートでは、空家対策を求める声も多数ありました。すでに日本は住宅過剰社会です。駅西開発は、3割の町内移動を見込んでいます。つまり、空家問題をさらに悪化させるものです。限られた人材と予算の中にあっては、駅西の開発はいったん時間をかけて考え直し、空家対策こそ優先的に対応することが町民の望むものではないですか。いかがですか。

 

都市創造部長

 空家対策につきましては、全国的にも重要な課題であると認識いたしており、JR島本駅西地区におけるまちづくりと空家対策のいずれかを優先的に対応するということは考えておらず、町といたしましては両施策とも重要課題として認識のうえ、取り組んでまいりたいと考えております。

 

中田議員

 駅西の開発をしなければ、空家問題も軽減されます。これこそ効率的な施策です。答弁で言われたことは、穴を掘って、自分で埋めるようなものです。予算を使った空家対策をする一方で、自ら空家を誘導することになる住宅開発を進めるという状態です。矛盾し過ぎです。

 次の質問に移ります。2月14日に町で、18日に府で行われた公聴会当日の人数と、その内容について伺います。

 

都市創造部長

 続きまして、「町及び府で開催された公聴会について」でございます。

 2月14日に開催いたしました平成30年度島本町都市計画公聴会につきましては19件の公述があり、21名の方の傍聴がありました。また、2月18日に開催されました平成30年度大阪府第3回都市計画公聴会につきましては14件の公述があり、5名の方の傍聴があったと聞き及んでおります。

 島本町の公聴会では、「各エリアの最高限度高度地区を見直すべき」といった用途地域及び地区計画に関すること、「保育士や学童施設の不足が予想される中、これ以上人口を増やすべきでない」といった人口増加に関すること、「『第五次総合計画』策定のアンケートではマンション乱立に反対する意見が多かった」といった各種計画に関連すること、「災害対策や子どもたちの教育のために農空間を残してほしい」といった農地保全に関すること、「住民、地権者、事業者の意見のすりあわせを行って欲しい」といった都市計画を進める手続きに関すること、「市街化区域に編入し、下水道整備をしてほしい」といった市街化区域編入後の整備に関すること、などといったご意見をいただきました。これら、町が実施いたしました公聴会においていただいたご意見については、後日、ホームページや文化・情報コーナー等で公表させていただく予定です。

 なお、大阪府の公聴会においては、島本町の公聴会でも公述された方も多く、町公聴会でいただいたご意見の内容とほぼ同内容の理由により、都市計画原案に反対される公述があったものと認識しております。

 以上でございます。

 

中田議員

 府の公述では、すべての方が反対していたということでよいですか。大阪府では、都市計画を進めて欲しいという意見は皆無だったと思います。すべてが見直しを求めるものだったということですね。

 

都市創造部長

 大阪府における都市計画公聴会での公述意見につきましては、すべて計画の見直しを求める意見であったものと認識しております。

 

中田議員

 また、1案件につき公述した人数は、少なくともここ10年の府の公述で最多でした。その認識はありますか。

 

都市創造部長

 大阪府の都市計画公聴会における公述の件数については、大阪府ホームページに掲載されている平成18年度以降においては、最多であったものと認識いたしております。

 

中田議員

 ここからも、住民の関心の高さ、現行の都市計画案の見直しを求める住民の意向が強いことが見て取れます。

 次の質問です。町の公述の時間設定を10分にしたこと、また10分で杓子定規に時間を切り、ほとんど一言も話させなかったことは、都市計画運用指針に反します。運用指針には、「意見陳述を希望する者には、物理的、時間的に対応が可能な範囲で、できるだけ意見陳述を認める」とあります。町の公聴会では、ほとんどの方が時間いっぱい公述をし、時間が足りず、途中で公述をやめさせられた方もいました。こういったことは、形式的にならないよう、わざわざ運用指針で指摘されているのにです。

 府の対応と比べてみても、よくわかります。町の公聴会の対応は、極めて不適切であったと思います。どうして、このような運用方法にしたのでしょうか。

 

都市創造部長

 今年2月14日に開催した島本町都市計画公聴会につきましては、近隣では導入されていない自治体もある中、今回から、新たに導入させていただいたものでございます。

 公述時間については、島本町都市計画公聴会規則に基づき、公述時間を定め、事前に公述される方に通知をさせていただいたため、厳密かつ公平に10分間以内で公述を終了していただくよう運用したことについて、不適切であったとは考えておりません。

 なお、大阪府においても、公述時間は10分以内とする旨のご案内をされておられたとお聞きしております。

 また、他の市町村で実施された事例を参考にするなどして、公述時間を10分以内とさせていただきましたが、今回の内容を踏まえ、今後、公聴会を開催する際の運用につきましては、改めて検討してまいりたいと考えております。

 

中田議員

 ぜひ、検討、見直しをよろしくお願いいたします。

 次の質問です。都市計画運用指針には、説明会、公聴会は、住民の意見を反映させるものであり、都市計画案の作成の段階でも住民意見をできるだけ反映させようという趣旨で設けられている、と書いてあります。説明会、公述意見、そしてこれまであげられた数々の住民意見からわかるのは、少なくとも住民は駅前に高層マンションができることを望んでいない、ということです。

 住民意見の反映の観点から、特に駅前に50mの高さの建物を建てることを許容する、現行の地区計画案には見直しが必要だと考えます。町長の見解を求めます。

 

山田町長

 続きまして、「住民意見の反映の観点からの現行地区計画案の見直しについて」でございます。

 本町におきましては、「都市計画法」等に基づき、住民意見を反映させるため、説明会及び公聴会のほか、「都市計画法」等に基づかない説明会、意見募集、タウンミーティングの開催により、様々なご意見を頂戴しているところでございます。

 しかしながら、ご指摘の地区計画につきましては、用途地域や高度地区とは異なり、区域内の地権者の合意形成を前提に権利を制限することになり、駅前の地区計画については、事業費をまかなう保留地処分金への影響を考慮しつつ、駅前という地理的条件や、町内の他の建築物の高さを鑑みて設定しているものでございます。

 先ほども申し上げましたとおり、町といたしましては、JR島本駅西地区は、住民の皆様が暮らしやすい多様な都市機能がコンパクトに集約されたまちづくりを行うためのポテンシャルを十分に兼ね備えていることから、当該地区のまちづくりは必要であり、今後予測される急激な人口減少の流れを少しでも食い止め、生産年齢人口の増加により町全体の活性化に繋げていくとともに、町の玄関口としてふさわしい地域にしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

中田議員

 地区計画が、地権者の同意が要るということであれば、行政として、住民意見の反映のために地権者の同意を取る努力をしていただきたいと思います。

 ほかに、町の判断で駅前に高層マンションの建設を可能にしない手段はあるのでしょうか。

 

都市創造部長

 ご指摘の手法といたしましては、例えば、低層系住宅の用途地域の設定や、最高限度高度地区の設定など、中高層の集合住宅建設に対して制限する手法は、ほかに存在するものと考えております。

 

中田議員

 都市計画の観点で高層マンションが建てられないようにという住民意向を反映させるためには、今、言われたほかに市街化区域にしないという手法もあり得ますよね。

 

都市創造部長

 ご指摘のとおり、現在、進めている区域区分の変更手続き、つまり、市街化区域への編入を取りやめることにより、当該地区は市街化調整区域のまま残ることになるため、マンション建設ができなくなるものと考えられますが、現時点におきましては、そのような選択肢は想定いたしておりません。

 

中田議員

 市街化区域の編入取りやめも、選択肢の一つとして考慮すべきです。

 質問です。重ねて言いますが、これまで様々な住民意見、そして無作為抽出の住民アンケート、公述の数々から、少なくとも、住民は駅前に高層マンションは要らないと思っていることは明らかです。都市計画の案の作成の段階でも、住民の意見をできるだけ反映させようという趣旨で、説明会と公聴会は行われているものです。そして、町長もそれを重く受け止めているのであれば、地区計画及びその他の部分で、その住民意見を反映するために都市計画案を変更すべきと考えますが、いかがですか。

 

都市創造部長

 低層系住宅の用途地域設定や、最高限度高度地区の設定につきましても、地区計画による土地利用の制限と同様に、土地所有者に厳しい制限がかかることや、事業費をまかなうための保留地処分金にも影響を及ぼすこととなり、地権者の合意形成を図ることは非常に困難であるものと考えております。

 また、町といたしましてもJR島本駅西地区は、住民の皆様が暮らしやすい、多様な都市機能がコンパクトに集約されたまちづくりを行うためのポテンシャルを兼ね備えていることを鑑み、低層系住宅の用途地域の設定は想定いたしておりません。

 

中田議員

 先ほど来、保留地処分金の影響など事業の実現性を引き合いに出されていますが、今は都市計画について議論をしています。それはいったん置いて考えるべきです。

 公益性の点から、都市計画を設定し、事業はその都市計画のもとで遂行されるべきことは先ほども申し上げました。高層マンションは要らないという住民意見が多数である現状では、この住民意見を反映した都市計画を設定するのは行政の責務です。地区計画であっても用途地域の設定でも良いです。市街化調整区域のまま止めるのでも良いです。

 繰り返しますが、事業の実現性と切り離した状態で町としてこれらを決め、しかるうえで事業の中身を考えるのが筋です。そこを一緒くたにして話を進めてきたからこそ、このような矛盾の塊のような計画になっているのです。きちんと論点を整理し直すべきだと考えます。

 次の質問です。人口減少社会において自治体がうまくやっていくためには、住民参加が必要不可欠だということは論を待ちません。都市計画運用指針の都市計画決定にかかる基本的考え方にも、住民参加と住民合意の形成の重要性が説かれています。都市計画だけではありません。あらゆる人が、あらゆるところで、今後のまちづくりにおいては住民参加と合意形成が必要不可欠だと述べています。島本町の「まちづくり基本条例」もそう言っています。

 確かに昨年度来、町はタウンミーティングや公聴会を行ったことは評価できますが、住民意見の反映や合意形成がなければ不十分です。そのことにより、町の未来を損ねているとも言えます。町の将来を真摯に考えている住民意見を聞かずに、反映できる意見がなかったから、ということは通りません。

 対立構造ではなく、お互いの理解を深めあい、合意形成するため、地権者や住民、行政とのオープンな場での、駅西のまちづくりのあり方について対話の場が必要だと考えます。そういう場を設けることを求めますが、いかがですか。

 

山田町長

 ご指摘のように、近年、多方面で住民参画によるまちづくりがうたわれ、その重要性が高まっているものと認識をいたしております。町といたしましても、住民参画の機会を増やし、これまで以上に住民意見を反映させるため、説明会及び公聴会のほか、「都市計画法」等に基づかない説明会、意見募集、タウンミーティングなど、開催してきたところでございます。

 しかしながら、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、町といたしましては、JR島本駅西地区は、住民の皆様が暮らしやすい多様な都市機能がコンパクトに集約されたまちづくりを行うためのポテンシャルを十分に兼ね備えていることから、当該地区のまちづくりは必要であり、今後予測される急激な人口減少の流れを少しでも食い止め、生産年齢人口の増加により町全体の活性化に繋げていくとともに、町の玄関口としてふさわしい地域にしてまいりたいと考えております。

 なお、本事業につきましては、地権者の意向に基づき計画されている土地利用ではございますけれども、ご指摘いただいた、オーブンな場における駅西のまちづくりのあり方について、対話・議論の場の検討など、準備組合と協議を行ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

中田議員

 都市計画についての住民の合意形成の話です。都市計画の主体は町ですから、議論の場の検討は準備組合と協議するものではないと思いますが、ぜひ町として検討をよろしくお願いします。

 山田町長は、「小さなまちの豊かな暮らし」をスローガンに選挙に当選されました。私は、このスローガンに深く共鳴しますし、多くの住民もそうだと思います。だからこそ、高層マンションは要らないという声がこれほどまでに大きいのです。進むべき未来を正しく示しています。

 地方都市の持続可能性という観点からは、ほかにない魅力を伸ばすことこそ重要です。島本町の持つ、どの町にもない魅力は駅前の農地です。準絶滅危惧種のドジョウや、ケリやヒメボタルもいます。「農のある風景」とともに子ども達が成長することができる空間です。こんな駅前がほかにあるか、ありません。住民の声を正しく……(質問時間終了のベル音)……、そのことを捉えています。行政も島本町の未来のために、この……。

 

川嶋議長

 終わってください。時間、過ぎています。

(「発言の途中なので……」と呼ぶ者あり)

 

川嶋議長

 暫時休憩いたします。

(午後2時40分~午後2時43分まで休憩)

 

川嶋議長

 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 暫時休憩いたします。

(午後2時43分~午後2時43分まで休憩)

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