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2023/12 有機フッ素化合物(PFAS)汚染について

  • 執筆者の写真: みどり 中田
    みどり 中田
  • 2023年12月28日
  • 読了時間: 22分

中田議員(質問者席へ) 2023年12月定例会議、一般質問を行います。

 「有機フッ素化合物(PFAS)汚染について」です。

 PFASは、1940年代頃から普及していた化学物質である有機フッ素化合物の総称です。その数は1万種以上あるとされ、水や油をはじく、熱に強い、分解されにくいという特性から、身近なものに幅広い用途で使用されています。例えば、防水スプレーをはじめとした撥水剤、包装紙の表面処理剤、消火剤、フライパンのフッ素加工に代表されるコーティング剤などです。

 その中で、特に有名なのがPFOSやPFOAです。これらは発がん性など、健康への影響が指摘されています。つい先日には、WHO関連の機関が、この2種の発がん性の評価を引き上げました。これにより、PFOAは4段階ある分類のうち、最も高い「発がん性がある」のグループになりました。同じグループには、アスベストやカドミウム、ヒ素、たばこの喫煙等が含まれています。

 日本では、PFOSとPFOAは既に製造・輸入が原則禁止されていますが、永遠の化学物質とも言われ、分解されにくく、環境中に長くとどまるため、これまで使用されてきた施設の近隣、例えば米軍施設や工場の周辺等で、全国的に相次いで検出されています。また、国の暫定目標値というのがあるのですが、その値を大幅に超えて検出されている地域はどの辺りかという視点で見てみますと、関東、東京周辺と関西の大阪周辺の検出量が断トツで多いです。

 本町は、その地域の中にあります。本町においては、これらが令和3年度に水道水の水源である町内7つの深井戸で、10~20ナノグラム、平均すると14ナノグラム/リットルが、PFOSとPFOA合わせた値が検出されています。国の暫定目標値50ナノグラム/リットル以下とは言え、一部報道によると、本町は近畿2府4件の水道水の中でPFAS汚染度が最も高いランクにある10の自治体の1つとなっていました。離宮の水、地下水9割の水道水、山崎ウイスキーなど、水を誇る町であり、私自身もそれが大きな魅力の1つと思って、この町に移り住み、生活してきただけに、大変ショックな報道でした。

 質問していきます。「PFAS汚染の実態について」です。

 今年度、町が実施した調査等の結果について、PFOSとPFOA、それぞれの値を伺います。


都市創造部長

 それでは、中田議員の一般質問に御答弁申し上げます。

 「有機フッ素化合物(PFAS)の汚染について」のうち、今年度、都市創造部が実施いたしました「調査の結果と値」についてでございます。

 河川水や事業所排水、井戸水の水質汚濁を把握することを目的として、今年度から水質分析業務におきまして、河川水で、2地点でPFOS・PFOAの水質分析を実施いたしております。なお、結果につきましては、現在、分析中でございます。

 以上でございます。


上下水道部長

 上下水道部が実施いたしました「水質検査の結果」についてでございます。

 大薮浄水場の浄水では、PFOSが3ナノグラム/リットル、PFOAが11ナノグラム/リットル検出しており、合算値で14ナノグラム/リットルでございます。大沢特設浄水場の浄水では、PFOAのみ3ナノグラム/リットルでございます。

 以上です。


中田議員

 水無瀬川のPFOSとPFOAの調査は、今年度初めて行なったということですが、まだ結果は出ていないということですね。水道については、以前は原水の井戸水だったんですが、今年度は浄水のみを調べた結果、合算値で14ナノグラム/リットル、内訳で見るとPFOSが3、PFOAが11、大沢ではPFOAだけが3ナノグラム/リットル検出されているということですね。こちらの大薮浄水場では14のうち11がPFOAと、こちらのほうが多く出ているということが分かりました。

 質問です。本町の水道水の1割を占める大阪広域水道企業団水の同様の値についても伺います。

 以前、委員会の答弁では、原水・浄水の平均値は、企業団水は9ナノグラム/リットルだと言われていました。原水・浄水の企業団水のPFAS、PFOAとPFOSの合算値、それぞれの近年の値を伺います。


上下水道部長

 大阪広域水道企業団水の近年における原水・浄水のPFOSの水質検査結果についてでございます。

 大阪広域水道企業団では、令和元年度からPFASの水質検査を実施されており、令和元年度は原水・浄水が同じ検出値で9ナノグラム/リットル、令和2年度は原水が11ナノグラム/リットル、浄水が12ナノグラム/リットル、令和3年度は原水・浄水が同じ検出値で9ナノグラム/リットル、令和4年度も原水・浄水が同じ検出値で8ナノグラム/リットルとなっております。

 以上でございます。


中田議員

 企業団水のほうは、ここ数年の値で見ると8~12ナノグラム/リットル、検出されているということかと思います。また、今、お答えいただきましたが、原水と浄水、これを比較しても同じか、浄水後のほうが高い値が出ているということもあることが分かりました。

 次の質問です。

 本町の水道水については、国の暫定目標値であるPFOSとPFOAの合算の50ナノグラム/リットル以下の値ではあるものの、浄水で14ナノグラム/リットル検出されています。この値の評価については、国の暫定目標値以下の値であれば高くないという方もいれば、いや、全国の自治体と比したら高いほうだという方もおられるでしょう。

 また、国際的に見ても、基準値にはばらつきがあるのが現状です。例えば、WHOは合算で100ナノグラム/リットル以下という基準を示している一方で、アメリカのように、近年、その目標値を70だったものを見直して、大幅に引き下げて、合算で8ナノグラム/リットルにしている例もあります。本町の14ナノグラム/リットルという値は、WHOや国の基準からすれば下回るものの、アメリカの基準で見ると、これを超えてしまっています。

 このように、何をもって高いとするかは見解が分かれるところかと思いますが、1つ、確認しておきたいです。PFOS及びPFOAの値は低ければ低いほどいい、そこに異論はないか、伺います。


上下水道部長

 水道法に定められた水質基準につきましては、水道水に含まれる様々な物質などを、人の健康に関連する項目や、生活利用上または施設管理上、障害の生じるおそれがある項目を水質基準項目としており、全国一律に守るべき最低の基準となっております。また、PFOS及びPFOAにつきましては、令和2年度に水質管理目標設定項目となり、水質管理上留意すべき項目となっております。

 本町といたしましても、全ての検査項目におきまして、基準値や目標値よりさらに低い数値であることが望ましいものと認識をいたしております。

 以上でございます。


中田議員

 全ての検査項目で、さらに低い数値であることが望ましいとのことですが、冒頭にも述べましたように、少なくともPFOAについては「発がん性の疑い」ではなく、「発がん性がある物質」となったのですから、その値を下げる努力は必須だと思います。

 そこで、浄水過程でその値を下げることができるのかどうか、伺っていきます。

 今年度、浄水で14ナノグラム/リットルが検出されましたが、令和3年度に水道の原水に当たる井戸7か所の検査をしたときの平均値も同じ14ナノグラム/リットルでした。本町の浄水処理では、PFASを除去、低減できていないということかと思いますが、この認識でよいですか。


上下水道部長

 令和5年度の大薮浄水場の浄水では14ナノグラム/リットル検出しており、令和3年度に実施いたしました原水である7井分の平均値も14ナノグラム/リットルが検出していることから、本町の浄水処理ではPFASの除去、低減をすることができないもの認識をいたしております。

 以上でございます。


中田議員

 本町の浄水処理方法では除去ができていない。では、どうしたらいいかというところです。PFAS汚染の低減策について、伺っていきます。

 他の自治体では、浄水場の活性炭の交換頻度を増やすことで、水道水のPFASの値を低減させているところがあります。また、本年3月の総務建設水道常任委員会でPFAS対策について質問した際には、この除去について、本町としてできる対策等について引き続き検討してまいりたいとも答弁されています。

 検討状況はどうなっていますか。本町でもできるだけ数値を抑えるべく、何らかの対策を取るべきと考えますが、どうですか。


上下水道部長

 議員から御紹介がございました浄水場における活性炭の交換頻度を増やすことでのPFAS値の低減効果につきましては、認識をいたしております。大阪府内で活性炭処理設備などが備わっている浄水場につきましては、大阪市水道局や大阪広域水道企業団など、大規模な高度浄水処理施設を有する事業体でございます。

 なお、PFOS及びPFOAにつきましては、現在、水質管理目標設定項目となっており、今後、水道法に定められた水質基準項目への見直しも国において検討をされております。このことから国の動向に注視するとともに、PFASが検出されている大阪府内の水道事業体のうち、大半の浄水場には活性処理設備などが備わっていないことから、PFAS対策につきまして、引き続き、他の水道事業体への調査研究に努めてまいりたいと考えております。

 数値を抑えるべき何らかの対策についてでございますが、現在の大薮浄水場の浄水処理施設では、浄水処理工程による低減効果が見込めないことから、抑制への対策については困難な状況でございます。

 以上でございます。


中田議員

 現状、大薮浄水場には活性炭処理設備が備わっていない、そのことで浄水処理工程での低減効果が見込めない、抑制対策が困難ということでしたが、であれば、単純に考えて、その施設を導入すればいいのではと思うのですが、この点、どのようにお考えですか。課題があるのであれば何か、伺います。


上下水道部長

 活性炭処理の設備につきましては、概算ではございますけども、粉末活性炭で約2億円、粒状活性炭で約3億円が必要となります。また、混和池内での活性炭と接触に要する時間や、急速ろ過池内での浄水処理後の洗浄水の処分も含めますと、大薮浄水場内の浄水処理工程を全面的に見直す必要があり、施設改修に必要な費用といたしましては、こちらも概算ではございますが、数十億円の設備投資が必要となり、活性炭の交換等も含めますと、莫大な費用が必要となります。費用面以外では、大薮浄水場の敷地内での改修が可能なのか、日常の運転管理に支障を来すことがない改修工事が実施可能なのかなど、課題があると考えております。

 以上です。


中田議員

 PFAS低減効果が見込める活性炭処理設備を現状の施設に導入するには、かなりの費用面も含めて、多くの課題があるということは分かりました。

 では、水道水の1割分受水している企業団水については、どうなっているでしょうか。先ほど、企業団水には活性炭処理設備があると答弁されていました。であれば、そちらについては活性炭の交換頻度を増やすことでPFASの低減を見込めるのではないでしょうか。企業団水の活性炭の交換頻度はどのようになっているのか、交換頻度を上げてPFASの低減対策をするように町として申入れするということはいかがでしょうか、伺います。


上下水道部長

 大阪広域水道企業団の高度浄水処理につきましては、主にカビ臭、トリハロメタン対策として導入されており、現在、3年に1回の頻度で活性炭を交換されており、仮にPFAS対策となれば、1年に2回程度の交換が必要になるものと聞き及んでおります。

 町からの申入れについてでございますが、大阪広域水道企業団から受水している水道事業体全体に関わることでもあり、交換頻度の見直しによるコスト面での費用増により受水費などへの影響も考慮いたしますと、町単独での申入れは差し控えるべきではないかと考えております。

以上でございます。


中田議員

 企業団水がPFAS除去効果のある活性炭処理施設は保有しているものの、活性炭の交換頻度を上げればコスト増となり、全体に影響するので、単独の申入れは控えたいということだったと思います。であれば、単独ではなく合同での申入れができるよう、自治体間で連携することは考えていただきたいです。

 また、企業団水についてはせっかく活性炭処理を行っているのに、原水と浄水の濃度が検出値がほぼ同じ、もしくは、浄水のほうが高いこともあるということが先ほどからも分かりましたので、こういう点も、交換頻度の見直しを求める大きな理由になると考えます。

 次です。自己水源について、活性炭による浄水処理ではなく、低減策として、7つの井戸の水源の調整で低減できないか、伺います。

 本町は、自己水源として7つの井戸で取水をしており、PFASの検出値は10~20ナノグラム/リットルと、井戸ごとに差がありました、以前の調査で。例えば、値が高い井戸からの取水を減らすことで、水道水全体の値の低減ができるのではないかと思うのです。この点、どのようにお考えでしょうか。


上下水道部長

 令和3年度に実施いたしました本町が保有する7井での原水の水質検査結果では、平均値が14ナノグラム/リットルとなっております。

 議員お尋ねの、数値の高い井戸からの取水を減らすことでの効果についてでございますが、当時の検査結果におきましては、最小値が10ナノグラム/リットルから最大値で20ナノグラム/リットルとなっており、現時点では数値の高い井戸の取水を減らすことによる低減効果についての判断は困難であるとの認識でございます。

 なお、今後実施する水質検査結果におきまして、特定の井戸での原水の数値の上昇が見受けられた場合や数値の高い井戸につきましては、取水量などを勘案し、必要に応じて井戸の休止も含めた対策も講じながら、適正な維持管理による取水計画に努めてまいりたいと考えております。


中田議員

 現時点においては、数値の高い井戸の取水を減らすことによる低減効果についての判断が困難とのことですが、今後の水質検査結果次第では、取水量を勘案し、必要に応じて井戸の休止などの対策を講じるとのことと理解しました。

 「数値の高い井戸の取水を減らすことによる低減効果の判断が困難」とされていますが、それは、現状においては令和3年の値しかないというデータの蓄積がないことが影響しているのかどうか、伺います。


上下水道部長

 議員おっしゃるとおりでございます。


中田議員

 であれば、令和3年度は原水7か所、1年空いて今年度は浄水のみとなっていますが、低減策のためにも、浄水のみならず原水7か所の継続検査が必要と考えますが、いかがでしょうか。


上下水道部長

 令和5年度に実施いたしました浄水の水質検査におきまして、PFASが14ナノグラム/リットルを検出し、令和3年度に実施した原水の平均値が14ナノグラム/リットルと同様の数値となっていることから、今後の低減策も踏まえまして、令和6年度からは、原水7か所及び浄水の水質検査におきましてPFASの検査を実施する予定でございます。


中田議員

 来年度以降は、浄水、原水、ともに検査していくということです。よろしくお願いします。

 こうした検査や調査においては、同一の測定点で継続的に見るということが重要です。そこから増減傾向などを見ることで、対策につなげることができます。低減策を講じるためにはデータの集積が必要なのはよく分かりますが、でき得る限り早急に、水道水のPFOS及びPFOAの値を良くするよう取り組んでいただきたいと思います。

 次の質問です。

 自然界には存在しないPFOSとPFOAが島本町で検出されることについて、原因は何だと考えているかについて、3月の委員会でお尋ねした際、PFOSについてはお答えがありましたが、今回、浄水14のうち、PFOSが3、PFOAが11と、PFOAの値が高く、大沢についてはPFOAのみが検出されています。PFOAについて、島本町で検出される原因は何であると考えているか、伺います。


上下水道部長

 PFOA等の有機フッ素化合物は、水や油をはじく、熱に強いなどの性質から、主に撥水剤や表面処理剤、消火剤等に使用されておりましたが、国内におきましては、令和3年に化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づきまして、原則として製造・輸入・使用が禁止をされております。

 検出された原因についてでございますが、一般的な河川など公共用水域、または地下水における水質汚濁の主な原因といたしましては、工場や事業所及び下水処理場などからの排出による影響が大きいとされておりますが、排出源となる施設が本町の井戸周辺及び善峰川上流にも存在しないことから、原因につきましては、特定することが困難な状況でございます。


中田議員

 特定は困難な状況と言われました。

 PFOAについては、排出源となる施設が上流周辺に存在しないためということ、原因の特定が困難ということですが、しかし、これはPFOAが水を通してのみ排出されること――近くから――を前提とされたお答えかと思いますが、実際にはPFOAは大気中にも排出され、風に乗って拡散することが京都大学の専門家チームによる論文で明らかになっています。過去に、工場等から大気中に排出されたPFOAが土壌に沈着し、地下水を汚染しているとしたら、この汚染源は上流や周辺に限らず、下流や遠い場所にも位置し得ます。

 ここまで、浄水過程でのPFASの低減策について質問してきましたが、それには答弁から、多額の予算がかかるということも分かりました。何にせよ、何らかの対策は取っていただきたいと思います。

 一方で、汚染源を特定し、流出を止めることが、安全な水の確保という点では一番確実な方法です。今後の検査データの分析においては、低減だけでなく、汚染源を特定するという視点も持っていただきたいいです。その際には、大気を通して拡散していたという点も踏まえておいてください。

 次です。「PFAS汚染の今後の調査」についてです。

 環境省は、7月の専門家会議において、「PFASに関する今後の対応の方向性」を取りまとめました。その中で、PFOS・PFOAへのさらなる対応の強化のためには、存在状況に関する調査の継続・充実を図ることが必要としています。

 本町で確認されている値は、暫定指針値(目標値)以下ではあるものの、それを超える値でPFASが検出されている地域の近隣に位置していること、離宮の水や地下水9割の水道水などで、町として「水」を誇っていることを考え合わせれば、その安心・安全については並み以上の対応が迫られるのではないでしょうか。水道のみならず、今後の本町全体のPFAS汚染調査の「継続・充実」をどのようにしていく予定か、伺います。


都市創造部長

 次に、「本町全体のPFAS汚染調査の継続・充実」についてでございます。

 本町におきましても、国の動向を踏まえ、PFOS及びPFOAを今年度から水質検査項目に追加し、新水無瀬橋、新川の2地点において測定を実施したところでございます。今後も引き続き、国の方針及び分析結果を踏まえつつ、測定場所について拡充も視野に入れた精査を行うとともに、継続的な水質分析を行っていく必要があるものと考えております。

 以上でございます。


中田議員

 測定場所の拡充を視野に入れて継続していくとのこと、よろしくお願いします。

 現状は、新水無瀬橋――水無瀬川が淀川と合流する地点――と新川の2地点のみで調査を行ったとのことですが、事務事業成果報告書の水質汚濁という項目の水質測定を見れば、水無瀬川では5地点、それ以外で13地点の計18地点で調査が行われています。今回、なぜ、この2地点のみを選んだのでしょうか、伺います。


都市創造部長

 採水箇所の選定理由といたしまして、当該2地点は各河川の下流域に位置しており、山間部からの合流した河川水が流れ込む地点となっております。このことから、まず、この2地点でPFOS・PFOAの水質分析を行い、その結果を把握することで、今後の対応につなげてまいりたいと考えております。

 なお、今後も分析結果によっては、当該2地点から上流域についても測定地点を検討し、PFAS・PFOAの測定値の変化についても把握できるよう、継続的な水質分析を行っていく必要があるものと考えております。

 以上でございます。


中田議員

 分かりました。今後につなげるために、最下流のところで採ってみた2地点ということですね。ここは、測定値の変化についても把握できるようにとも言われていました。そのためには、同一の測定点での継続調査が重要です。年度ごとにバラバラの地点の調査をするのでは、見えてくるものが限定されます。今後の調査地点の選定においては、この点、注意してください。

 質問です。

水道水以外でも、農作物を育てるために町内に張り巡らされた水路の水を多くの方が利用しています。一番利用者が多いのは、二中の上流当たりにある水無瀬川の大出手頭首口から取り込んでいる水路だと思われますが、拡充も視野に入れるのであれば、その大元である大井手付近でも調査すべきと考えますが、いかがでしょうか。


都市創造部長

 水無瀬川に設置いたしております大井手頭首口につきましては、町域内の主要な水路に流れ込む河川水の起点であり、東大寺四丁目・三丁目をはじめ、広瀬の大半の農地に農業用水を供給する重要な取り込み口となっております。

つきましては、先ほども御答弁させていただきましたように、継続的な水質分析の必要性は認識しておりますことから、今年度の分析結果を基に、来年度以降、安全かつ安心して農業に携わることができる環境整備の視点も踏まえ、分析効果が見込める測定地点については検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。


中田議員

 町民が安心して農作物を育て、収穫し、口にできるよう対策を取るために、まずは実態把握を進めていっていただきたいと思います。

 東大寺・広瀬以外では、高浜にも農地がまとまって残っております。こちらは主に、雨水と淀川の水を利用されていると思います。こちらの水路についても調査の検討をしていただきたいです。

 さて、島本町で「水」と言えば、一番に思い浮かぶのが「離宮の水」です。府下唯一の名水百選に選ばれていることから、多くの方が毎日水を汲みに来ておられます。この調査もすべきと考えますが、どのようになっていますか。

(午後2時10分 東田議員退席)


都市創造部長

 離宮の水におきましても、離宮の水保存会において、今年度、PFOS及びPFOAの水質検査を行う予定といたしております。

 以上でございます。


中田議員

 保存会の方が調査をするということ、今のお答えですと。行政としてするというか、ちょっと分からなかったので、再度、お尋ねしていいですか。


都市創造部長

 具体的な事務の流れといたしましては、保存会の事務局である行政のほうが、手続のほうは取ってまいる形になろうかと思います。

 以上でございます。


中田議員

 分かりました。結果が大変気になるところです。こちらも、今年度だけではない継続的な調査をしてください。

 質問です。

どこをどう調査すると、今後、有効な調査を行い、対策を取るためには、部横断的な連携が必要と考えます。連携はできていますでしょうか。

(午後2時11分 東田議員出席)


都市創造部長

 次に、「部横断的な連携」についてでございます。

 井戸水をはじめ、河川水、事業所排水、さらには離宮の水など、各関係課が所管する様々な水源がありますが、今後、情報共有や連携を行うことで、より効果的な事業が実施できることが想定されます。現状におきましては、各部局において各々で対応しておりますが、今後につきましては、各課における実務の状況を踏まえながら、関係課と情報共有を図り、可能な限り横断的な連携に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。


中田議員

 これまではできていなかったけれども、今後はしていくということだったかと思います。よろしくお願いします。

 次です。「PFAS汚染の情報発信について」です。

 水道水については、既に町ホームページでPFASの調査結果について、以前よりは分かりやすい形で発信がされています。今後、離宮の水、水無瀬川の調査結果についても、これらと併せた形で分かりやすい発信が必要と考えます。その公表はどのようにするおつもりか、伺います。


都市創造部長

 次に、「離宮の水、水無瀬川の調査結果の公表」についてでございます。

 PFASにおける水質分析結果の公表につきましては、本町といたしましても必要であるものと認識いたしております。環境省の考え方といたしましても、行政だけが把握しておくものではなく、地域の方々、あるいは、町内事業所とも共有し、化学物質による環境リスクを低減できるよう取り組むことが重要であると示されております。このことから、PFASの水質分析結果の公表については、水質分析の必要性や本町の現状なども踏まえ、地域の皆様にとって分かりやすい情報発信を検討するとともに、今後も継続的な水質分析に努めてまいりたいと考えております。

 また、離宮の水につきましても、事務局である本町としては、安心して御利用いただくために調査及び公表は望ましいと考えており、現在、離宮の水保存会において水質検査を行っておりますことから、当会と協議を行い、適宜対応しているところでございます。

 以上でございます。


中田議員

 よろしくお願いします。

 今は水道の検査結果のみ、町のウェブサイトに載っていますが、今後、情報が増えるにつれ、各課で分断された公表の仕方にならないよう、水道と環境、にぎわいなど、各課の情報をまとめたページを作るとか、相互リンクをはるとか、新たなページを立ち上げるなど、情報を知りたいと思った皆さんがあちこち探し回らずに、1か所でまとめて見られるような対応、工夫をお願いします。

 次の質問です。最後に、幾つか町長に伺います。

 これまで分かっている島本町の地下水のPFOAとPFASの合算値は、暫定目標値よりは低いものの、全国的に見れば、ほとんど検出されていない自治体が大半の中、かなり高い値が出ている地域にあると思います。この点、どのようにお考えでしょうか。


山田町長

 私自身も、PFASが全国的に検出している状況、特に関東地域や関西地域での検出が多く見受けられていることにつきましては、認識をいたしておるところでございます。また、北大阪地域では、大阪府内でも比較的高い数値の検出が確認をされております。

本町におきましても、大薮浄水場での浄水が14ナノグラム/リットル検出しており、今後、この数値が上昇することが見受けられた場合につきましては、水質の監視体制の強化を図ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。


中田議員

 よろしくお願いします。

 次です。町長に伺います。

この秋、医師や科学者、市民からなる団体の主導で、全国最大規模である1,000人を対象にしたPFASの疫学調査が大阪で行われています。こういったことが起こるほどに市民が不安を感じる重大なことだということは、認識しておられますか。町長に伺います。


山田町長

 PFOS・PFOAにつきましては、人体においてコレステロール値の上昇や発がん、免疫系等との関連が報告をされており、健康への影響を心配されるお気持ちは十分に理解をしております。現時点におきましては、どの程度の量が体に入ると影響が出るのかについては確定的な知見はございませんので、国におきましては、最新の科学的知見に基づき、暫定目標値の取扱いについて専門家による検討を進められております。

 本町といたしましては、先ほどからも御答弁をさせていただきましたとおり、継続的に浄水並びに原水のPFASに関する水質検査を実施して、全町的な状況把握や対応に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。


中田議員

 よろしくお願いします。

 私も、この疫学調査に協力して血液検査を受ける予定です。今回の疫学調査は、PFASによる健康影響を把握の上、高濃度曝露した市民を適切な処置につなげることも狙いの1つにあるとのことです。これまでに、こういった調査により、例えば、近隣では摂津市民の血液からも高濃度のPFOAが検出されています。町としても、こういった疫学調査の結果にもアンテナを張って、情報収集をしていっていただきたいと思います。

 最後の質問です。

PFAS汚染、特にPFOS・PFOAは、有害化学物質として各地で検出が相次ぎ、全国的に大きな問題となっています。「水」の町である島本とその住民の安全を守るために、町長がイニシアチブを取って進めていただきたいです。

 最後に、町長の見解を伺います。


山田町長

 このPFAS・PFOA等への対応につきましては、本町といたしましても大変重要であると考えておりまして、これまでも水道事業のみならず、河川における水質検査や離宮の水保存会との調整など、適宜対応を行ってきたところでございます。

今後も、本町での調査結果を踏まえつつ、近隣自治体の動向なども注視をしながら、全町的な状況把握や対応も含めて、継続的に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。

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