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2020/6 ①駅前開発 リスク管理と公益性の確保について②ホタルは灯りが嫌い:光害対策について③教科書採択について

  • 執筆者の写真: みどり 中田
    みどり 中田
  • 2020年6月30日
  • 読了時間: 23分

更新日:1月21日

中田議員

 2020年6月定例会一般質問を行います。

 1.「駅前開発 リスク管理と公益性の確保について」です。

 島本駅前の土地区画整理事業では、業務代行者と組合は業務代行契約書を交わしています。これは、両者の間のリスク分担等が明記されているもので、今後、事業を進めていくにあたり責任の所在を示す重要な書類です。一方、行政は事業を指導監督すると同時に一組合員でもあり、本事業と深く関わっています。

 コロナ禍により、未曾有の経済危機が懸念されています。地価下落で売却益が思うように上がらなくなることや、深刻な不況で住宅需要が減退することは十分考えられます。ほぼ全面が住宅地となる本事業のリスクは高まっています。このような中、事業が想定どおりに進まなくなった結果として町が損失を被ることがないよう、住民の血税を預かる行政としては「リスク管理」を十分に行わなければなりません。

 そのためには、契約の内容を把握しておくべきと考えます。確認はされていますでしょうか。

 

都市創造部長

 それでは、中田議員からの一般質問に、順次ご答弁申し上げます。

 まず、「駅前開発」についてのご質問のうち、「JR島本駅西土地区画整理事業における組合と業務代行者間の契約書について」でございます。

 当該組合からは、5月16日の組合設立総会において、株式会社フジタと業務代行契約を締結される旨の報告がされており、同月18日に締結された旨はお聞きしておりますが、現段階におきましては、業務代行契約書の内容を確認いたしておりません。

 以上でございます。

 

中田議員

 現段階では確認していない、とのことです。重ねて問います。その書面を確認し、内容の把握をしておく必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 

都市創造部長

 組合と業務代行者間の契約書について、再度のご質問でございます。

 本町は、当該組合の組合員という立場でもあり、また組合の事業推進を指導監督する立場でもありますことから、業務代行契約書の内容を把握することは望ましいものととらまえ、今後につきましては組合と協議を行い、業務代行契約書の内容確認、把握に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

中田議員

 業務代行方式は、民間事業者の資金調達能力を活用することで、組合及び地権者の負担が軽減されるメリットがあるとされていますが、必ずしもそうではありません。それどころか、事業が破綻したときに、業務代行者が最終的に責任を取らない事例が複数あると聞いています。

 例えば、本町と同じように組合施行・業務代行方式で土地区画整理事業を行った他自治体の例では、事業が破綻した際に業務代行者が撤退し、組合と業務代行者の間で訴訟になった事例があります。このことは把握しておられますか。

 

都市創造部長

 「他自治体における業務代行方式の事例」についてのご質問でございます。

 他自治体における組合施行の土地区画整理事業において、業務代行者と組合との間に契約上のトラブルが生じた事例があることにつきましては、承知いたしております。

 

中田議員

 この事例では、契約書の内容を事前に行政がチェックしていたにも関わらず、業務代行者の言いなりというか、ひな形どおりに契約を結んでしまったということです。そして、最終的に訴訟になったということでした。本町は、これを他山の石とし、町が損害を被る可能性を生じさせない観点から、契約の中身を精査することが必要です。財政的に厳しい島本町です。想定外のことが起こったときに、公金を使って解決する選択肢は存在しません。

 また、本件については――契約書を確認していない件ですね――契約に関する住民からの情報開示の求めや働きかけがあってはじめて、行政として確認の必要性を認識したという経緯があります。血税を預かる者として、行政が率先して、こういった重要な契約を確認し、リスク管理はしておくべきです。この点、猛省を求めます。

 次の質問です。「駅前開発における公益的側面の増強」について。

 行政は、これまで様々な機会に把握してきた本事業に対する住民意見を踏まえ、組合に対し事業の公共的価値をより多く確保するよう要望等の働きかけを行ってきました。具体的に、ここまでの時点で事業の公益的側面の観点から、増えた部分はありますか。

 

都市創造部長

 次に、「公益的側面の観点から増強した部分」に関するご質問でございます。

 現在、当該組合におかれましては事業に関する実施設計を行われている段階であるため、現時点において、公益的側面の達成に関する指標や具体的な事例をお示しすることは困難でございます。しかしながら、組合におかれましては、令和元年6月4日に町から提出いたしました要望書に基づき、JR島本駅西地区まちづくり委員会へのご協力をはじめ、「環境への配慮」や「都市農地の活用」等についてもご検討いただいている旨、報告を受けております。

 本町といたしましては、引き続き要望書の内容を事業に反映いただけるよう協議を進めてまいり、当該事業への公益的側面の確保に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

中田議員

 逆に、駅前開発における公益的側面が、当初と比較して減じられた部分はありますでしょうか。

 

都市創造部長

 次に、「公益的側面が減じられた部分」に関するご質問でございます。

 先ほどもご答弁申し上げておりますとおり、当該事業につきましては、現在、実施設計等を行われている段階であるため、現時点において公益的側面が減じられた部分があるとの認識はいたしておりません。

 以上でございます。

 

中田議員

 どちらもまだわからないということですが、住民の多数から、本事業が公益性を欠くという指摘を受け、すでに1年以上が経過しています。にも関わらず、未だ公益性について高まったと言えるようなものがない。これは昨年夏の都市計画決定を、議論が深まらないまま、未成熟なまま、行ったからではないでしょうか。

 この件に関して、「公益性の確保」に取り組んでいってもらいたいと考えます。成果込みでですね。今後の意気込み、考えをお示しください。

 

都市創造部長

 「公益性の確保」に関するご質問でございます。

 令和元年6月4日に町から組合へ提出した要望書につきましては、住民の皆様からいただいたご意見から、よりよいまちづくりを実施するために必要があるものについて取りまとめた内容であり、いずれの項目においても、公益性がある内容のものと認識いたしております。本町といたしましては、今後につきましても、要望書の内容に沿って組合との協議を進め、公益性の確保に取り組んでまいりたいと考えております。

 

中田議員

 町が、行政が出している要望書の中には、公園を含むインフラ整備についても含まれていました。そこで、前回の一般質問に引き続き、公園面積についての質問です。

 私の質問は2月にやりましたが、その後、この春出されたJR島本駅西地区のまちづくりに関する住民の公開質問状に対して、町はこのように答えています。「本町における公園面積について、開発後における1人当たりの公園面積は3.82平米となり、本事業の影響により0.01平米の微減はあるものの、当該事業による大きな影響はないものと認識」と言われています。

 この行政の認識に驚きを禁じ得ません。前回の一般質問でも言及しましたが、国平均の1人当たりの公園面積は10.5平米、全国の都道府県の中で1人当たりの公園面積がワーストの大阪府でも5.7平米。島本町のそれは3.8平米と、そもそもが大変小さいわけです。そこに、微減だから影響はないと言ってしまう、その認識は大変問題だと思います。このような認識だから、島本町の公園面積が増えないのではないでしょうか。

 前の一般質問では、町長は「公益性の観点から、組合との協議を視野に入れて検討」とお答えになっていますが、その後、どうなりましたでしょうか。

 

都市創造部長

 「公園面積の増加について」でございます。

 現在、計画されております土地区画整理事業区域内における公園面積につきましては、「土地区画整理法施行規則」に基づき、必要な面積は確保されております。本事業は組合施行の事業として地権者の減歩が伴うことから、さらなる公園の増加は公共減歩の増加に繋がるため、組合のご理解が必要不可欠でありますが、本町といたしましても、公園面積の増加につきましては目指すべき課題であると認識いたしておりますので、今後、当該土地区画整理組合と協議を行ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

中田議員

 前回は「協議を検討」だったのが、今回は「協議を行う」ということになりましたが、ぜひ成果をあげていただきたいと思います。

 次の質問です。当該事業区域内にある第三小学校の用地について、以前、準備組合だったときは減歩をしない方針で協議を進めると聞いていました。現在、組合が設立されました。どのように協議を進められていますか。

 

都市創造部長

 「第三小学校用地」に関するご質問でございます。

 当該土地区画整理事業区域内に位置する第三小学校用地につきましては、「土地区画整理法」第95条による特別の宅地に該当することから、減歩しないように当時の準備組合へ申し入れを行い、減歩しない方針にてご理解をいただいております。当該準備組合につきましては、このたび法人格をなした本組合を結成されましたことから、今後につきましては、土地区画整理事業区域内における仮換地指定に向けた換地設計をされる段階において、減歩や清算金が発生しない方針を前提として、明文化等も含めた協議を進めてまいりたいと考えております。

 

中田議員

 わかりました。町民の財産に関わる重要なことですので、先ほど「明文化等も含めた」と言われましたが、明文化は必須だと考えますので、よろしくお願いします。

 また、コロナ禍により未曾有の経済危機が懸念されています。こうした状況の中ですので、協議は早急に進めて欲しいと考えます。いかがでしょうか。

 

都市創造部長

 再度の第三小学校用地にかかる協議に関するご質問でございます。

 当該土地区画整理事業区域内における仮換地指定に向けた換地設計につきましては、他の地権者の換地にかかる意向調査等の状況にもよりますが、可能な限り、協議は速やかに進めてまいりたいと考えております。

 

中田議員

 よろしくお願いします。

 次の質問に移ります。


2.「ホタルは灯りが嫌い:光害対策について」です。


 昨年6月の一般質問で、街路灯のLED化の実施設計につき、水無瀬川のゲンジボタルに光害が及ばぬよう配慮を求めました。その進捗状況を伺います。

 

都市創造部長

 次に、「光害対策」についてのご質問のうち、「街路灯のLED化に伴うゲンジボタルへの配慮」について、ご答弁申し上げます。

 水無瀬川沿線の街路灯につきましては、現在、電球色がオレンジ色の暖色系ナトリウム灯を設置いたしております。今後、当該街路灯につきましては、LED化に向け、計画的に実施してまいりますが、生物多様性保全の観点から、ホタルへの光害対策についても、昨年度の実施設計業務において検討を行っております。具体的な内容といたしましては、ホタルへの影響を最小限にすべく既設照明色を踏襲し、ナトリウム色であるオレンジ系LED照明を採用し、国土交通省が定める街路灯としての照度基準も確保する予定でございます。

 今後、街路灯のLED化につきましては、今年度から、阪急水無瀬駅やJR島本駅を中心に、市街地周辺の交通量が多い主要な幹線道路から整備してまいりたいと考えており、水無瀬川沿線をはじめ他の道路についても、財政状況を勘案しながら、順次、対応してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

中田議員

 ホタルへの配慮として、照明をオレンジ系LEDにするとのこと、よろしくお願いいたします。

 さて、配慮いただく――今は色のことでしたが、区間についてです。今年6月2日から昨日までの間の3週間、雨の日を除いて水無瀬橋の下流から指手橋上流までの1キロほどを歩いて、ホタルの個体数をカウントしてみました。その結果、6月の第2週をピークとして、最高140頭が確認されました。ホタルが見られる範囲については、多いときは調子橋より下流だけでも30頭以上確認するなど、指手橋上流から水無瀬橋下流まで、広い範囲にわたってホタルが生息していることがわかりました、この区間に関してはですね。ですから、水無瀬川沿いの、この区間の街路灯を広くオレンジ色対応にしていただくことが望ましいと考えますが、いかがでしょうか。

 

都市創造部長

 水無瀬川沿線におけるホタルに配慮したLED化に向けた「街路灯の整備区間」について、ご答弁申し上げます。

 現在、計画いたしておりますホタルに配慮したLED化に向けた街路灯の整備区間につきましては、既設街路灯のうち、ナトリウム灯を使用している照明のある区間、具体的に名神高速道路と山ノ瀬橋の間を対象に、ホタルに配慮したオレンジ系LED照明に交換する予定でございます。また、当該区間外におきましても、生物多様性保全の観点から、ホタルへの光害対策が必要となる箇所につきましては、可能な限りオレンジ系LED照明を採用し、対応してまいりたいと考えております。

 

中田議員

 ぜひ、区間を拡げる対応も、よろしくお願いします。

 他の自治体を見ると、ホタルへの光害対策として、色だけでなく、道路照明基準を確保しつつも光害に対して様々な対策が取られています。例えば、照明範囲についてです。島本駅西側の農地でも対応されていたと思いますが、照明の高さを低くする、照明の向きや照明カバーでの工夫、遮蔽板を入れるなどです。設置してしまってから、ホタルがパッタリいなくなったという残念なことが起こらないよう、今後も設置に向けて、できるだけ生息地である川面を光で照らさないような配慮を求めます。いかがでしょうか。

 

都市創造部長

 「ホタルに配慮した街路灯の設置について」でございます。

 街路灯につきましては、ご承知のとおり、国土交通省の道路照明基準を確保した設置が義務づけられております。現在設置しておりますナトリウム灯と、今後設置予定しておりますLED照明につきましては、道路を照らす範囲が異なることから、街路灯周辺だけでなく、道路区域全体の照度基準を確保できるように、設置距離も考慮したLED照明の設置が求められます。

 このことを踏まえ、生物多様性の観点からも、LED照明を設置の際には道路区域内の照度を確保しつつ、可能な限りホタルにも配慮した仕様についても検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

中田議員

 「ホタルの鑑賞マナーの啓発について」です。ホタルが増えるとともに、ホタルを見に来る方も増えてきています。それは素晴らしいことですが、一方で鑑賞者もホタルへの配慮が求められます。ホタルをたくさん捕って、虫かごに何十頭も入れて持ち帰るケースがあると聞いています。町にとっては重要種であるうえに、数が増えたと言っても、1キロほどの間に多くて100数十頭ほどしか見られない状況です。そっと手に取って見てみるというならともかく、数十単位で捕獲して持ち帰れば、個体数への悪影響も考えられます。

 そこで、提案です。来年6月の広報しまもとに、ホタルの生態を説明した内容を載せるというようなことを企画したり、付近に看板を立てるなどして、ホタルを優しく見守りましょう、という趣旨の啓発をしてはいかがでしょうか。

 

都市創造部長

 ホタルを持ち帰る事案についてでございます。議員ご指摘のとおり、ホタルを持ち帰られる方がおられることは、町としても聞き及んでいるところでございます。

 水無瀬川に生息するゲンジボタルにつきましては、希少生物との取り扱いはされておりませんが、町内の初夏の風物詩として定着し、楽しみにされている方も多くおられることから、あたたかく見守ることができる環境の整備に向け、具体的な方策について、広報掲載等も含め検討してまいりたいと考えます。

 以上でございます。

 

中田議員

 ぜひ、よろしくお願いします。

 次の質問です。以前、役場前に生息する「ヒメボタルへの光害対策」を求める要望書がありました。行政は、駐車場に向ける防犯ライトの角度を調整して対応してくださいましたが、その効果はほぼなく、生息地は今年も明るく照らされて、光害は続いていました。再度の対応が必要と考えますが、いかがでしょうか。

総務・債権管理課長 続きまして、「役場の照明の対応」についてのご質問でございます。

 ご質問の件は、役場中庭の照明に対する対応についてのご要望と認識をしております。現在、役場中庭には町の公用車を駐車しておりますが、敷地内の状況を確認できる照明がない場合、夜間は中庭のほとんどが真っ暗になることから、防犯上も、また町有財産の適正な管理のうえでも、大きな問題がございます。

 しかしながら、付近に生息するヒメボタルへの光害対策を求めるご意見がございましたことから、今年度につきましても、可能な限り周囲に漏れる光が少なくなるように角度の調整をして、対応させていたいているところでございます。

 以上でございます。

 

中田議員

 もちろん、防犯性を考慮する必要は理解します。一方で、2年前に提出された先ほどの要望書にも書いてあったように、ヒメボタルへの光害対策は1年を通して行う必要はなく、最低限、成虫になって繁殖行動を行う5月から6月中旬の1ヵ月半だけでかまわないのです。

 再度の要望になります。照明の角度調整以外の対応を行っていただきたいです。例えば、その時期だけ、生息地方面を照らさないための遮蔽板を設置する、赤いセロハンを挟む等が考えられます。検討を求めます。いかがでしょうか。

総務・債権管理課長 先ほどもご答弁申し上げましたとおり、役場中庭の照明につきましては、施設管理者としての判断で、防犯及び町有財産の適正管理を目的として設置をさせていただいており、一時期だけとは言え、施設管理上問題があるような対応はできないものというふうに考えております。しかしながら、施設管理のうえで可能な範囲で、具体的に取り得る手法の有無については、先ほどご提案をいただきました内容も参考にしながら、検討をしてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

 

中田議員

 ぜひ、よろしくお願いいたします。来年度以降ですね。

 次の質問です。今回の街路灯に限らず、光害に関して、信号や防犯灯のLED化、工事現場の夜間照明なども光害を引き起こします。また、水無瀬川の浚渫や護岸工事、それから他の議員の質問にありました生コン残渣の流入、産業廃棄物の流入等、直接、ホタルの生息地が破壊される懸念もあります。

 島本町は、今、市街地に、しかも、かつ狭い範囲に、ゲンジボタル、ヘイケボタル、ヒメボタルが生息しています。このような自然を身近に享受できるところは、島本町の強みであり、良いところだと日々感じています。この強みを延ばしていくため、今後も生物多様性の観点から、全庁的に保全に向けた対応をしていただきたいと考えます。見解を伺います。

 

都市創造部長

 生物多様性の観点から、「全庁的に保全に向けた対応について」でございます。

 町内で見られるホタルが生息している地域につきましては、市街地にほど近いこともあり、生活の中で、また生活安全のため、街路灯など様々な光が発生することは一定やむを得ないものと考えておりますが、事業の実施にあたり、可能な限りの配慮ができるよう呼びかけてまいりたいと考えております。その他の事務事業の取り組みにつきましても、昨年、作成いたしました「島本町生物多様性保全創出ガイドライン」に基づき配慮するよう努めることについて、環境課から各課に対して周知を図ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

中田議員

 この件も、ぜひ、よろしくお願いいたします。

 今回、ホタルを取り上げましたが、ホタルに限らず、昆虫は私たちの生活環境を維持するために、生態系で大きな役割を果たしていることがわかってきています。一方で、その昆虫が昨今、世界的にすさまじい勢いで姿を消しています。これには多数の証拠があり、研究者の間でも異論の余地はありません。生物多様性は地球規模で危機的な状況です。身近な生き物を保全することは、人類が拠って立つ地球の生態系を保全することです。今後とも、島本町としてホタルの光害に限らず、多くの生き物がいる環境の保全に努めていただきますよう求めておきます。

 次の質問に移ります。


「教科書採択について」です。


 2021年度から使用される中学校教科書の採択に向けて、質問です。島本町は、核廃絶平和都市となることを宣言しています。「非核平和宣言都市」にふさわしい、平和や人権を大切にしている教科書を採択していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

 

教育こども部長

 それでは「教科書採択」のうち、「『非核平和宣言都市』にふさわしい教科書の採択について」でございます。

 中学校においては、令和3年度から新学習指導要領に基づくカリキュラムがスタートいたします。今回の学習指導要領では、新しい時代に必要となる資質・能力として、「思考力、判断力、表現力等の育成を目指すととともに、主体的・対話的で深い学びの視点からの学習課程の改善」を行っていくこととなっております。

 本町といたしましても、これら新学習指導要領の目標を確実に達成できるような教科書採択を行うべく、「教育基本法」の目的及び理念や新学習指導要領の各種規定を順守するとともに、教科用図書の調査・研究を行う島本町立小・中学校教科用図書選定委員会の意見具申を踏まえ、児童・生徒が使用するにふさわしい教科書を決定してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

中田議員

 重ねて問いますが、今のご答弁ですね、「教育基本法」第1条の目的に沿った教科書が、公正で公平な手続きを経て採択されるという認識で間違いありませんか。

 

教育こども部長

 教科書採択についての再質問でございます。

 「教育基本法」第1条において、教育の目的として、「教育は人格の完成をめざし、平和で民主的な国家及び社会の形成者として」、必要な資質を備えた「心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならない。」と規定されています。当然のことながら、この「教育基本法」の目的や理念に沿った教科書を、公平・公正な手続きのもと、採択することに間違いございません。

 以上でございます。

 

中田議員

 次ですね、採択にあたり、「子どもと地域のことを最もよく知っている現場の先生の意見を尊重して採択」するべきと考えますが、教育委員会としてどのようにお考えですか。

 

教育こども部長

 次に、「教職員の意見を尊重して採択すべき」というご質問についてでございます。

 教科書採択にあたっては、まず、島本町立小・中学校教科用図書選定委員会規則第7条に基づき、各中学校から科目ごとに調査員を選任し、教科用図書の調査及び研究を行い、その結果を調査報告書として取りまとめ、選定委員会に報告することとなっております。その後、選定委員会では、本報告書をもとにさらなる調査・研究を行い、教育委員会に対して、教科ごとの意見具申を行い、最終的には教育委員会議において採択教科書を決定いたします。

 このように、教科用図書の採択にあたっては、学校長も含め、現場の教職員の意見を反映する機会を多く確保し、決定に至っております。

 以上でございます。

 

中田議員

 わかりました。次の質問です。

 近年は、教科書採択に対する住民の関心も大変高いです。ぜひ、住民意見も参考にしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

 

教育こども部長

 「住民意見の反映について」でございます。

 令和3年度から使用する教科書採択にあたっては、あらかじめ6月1日から7月1日まで島本町教育センターにおいて、また6月4日から17日まで役場文化情報コーナーにて教科書展示を行い、住民の皆様にも広くご覧いただき、意見をいただく機会を設けております。住民の皆さんからいただいたご意見については、取りまとめたうえで、選定委員会に対して参考資料として配付いたしております。

 また同選定委員会については、島本町立小・中学校教科用図書選定委員会規則第3条に基づき、委員構成として、児童生徒の保護者1人を参画させることとなっており、教育委員会への具申する意見を取りまとめるにあたって、直接、意見反映を行える機会も設けております。さらに令和2年3月27日付け文部科学省初等中等教育局長からの通知におきましては、教科書採択にあたっての結果及び理由について、保護者や地域住民等に対して説明責任を果たすことの重要性が明確に示されております。

 本町といたしましては、これらを踏まえ、住民意見反映の機会確保の重要性を認識して取り組んでいるところでございます。

 以上でございます。

 

中田議員

 その住民意見の反映の機会を確保するにあたり、「今年は十分に保障されたのか」という点について問います。

 例年、教科書展示会は教育センターと図書館でも行われていたのですが、今年は会場の一つの図書館が、役場の文化情報コーナーに移ったため、土日の閲覧ができませんでした。平日、働いておられる方など、展示会に行って市民アンケートを書くことができません。対応ができなかったのでしょうか。

 

教育こども部長

 それでは、ご答弁申し上げます。

 教科書展示につきましては、先ほどご紹介いただきましたように、昨年まで町立図書館を活用し、行っておりました。今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、町立図書館が臨時休館となり、5月23日から一部サービスを制限して開館いたしましたが、閲覧については認められていなかったことから、教科書展示を行うことができませんでした。そのため、検討の結果、役場1階の文化情報コーナーを活用し、6月4日から17日までの期間、教科書展示を行ってきたところでございます。図書館であれば、金曜日を除く開館日については、開館時間が17時までですが、役場であれば17時半まで開庁していることから、時間延長となることのメリットも踏まえ、図書館の代替場所として文化情報コーナーを展示場所として指定したところです。

 しかしながら、土日は役場が閉庁となるため、土日に教科書を閲覧できないという議員のご指摘につきましては、次回以降の教科書展示の際に、改めて土日の展示が可能となるよう、期間や場所等につきまして検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

中田議員

 次回以降は、気をつけていただきたいと思います。

 次の質問です。新型コロナウイルス感染症の蔓延している中で、例年のように採択事務が滞りなく実施されるのか、懸念しています。採択を審議する教育委員会議は、「希望者全員が傍聴できる」ようにして欲しいと思いますが、いかがですか。

 

教育こども部長

 次に、「教科書採択を審議する際の教育委員会議の傍聴について」でございます。

 今年度実施する、次年度から使用する中学校教科書の採択につきましては、公平性と透明性を確保し、例年と同様のスケジュールで実施する予定でございます。

教科書採択を審議する際の教育委員会議の傍聴につきましては、昨年度も小学校の教科書採択の際に、17人の傍聴希望者全員を受け入れる会場を設定し、対応したところでございます。今年度につきましても、できる限り希望者全員の方が傍聴できるよう広い会場で開催してまいりたいと考えておりますが、新型コロナウイルス感染症対策を図りつつ、3密には配慮した開催となりますことから、一定、傍聴者の制限について検討しなければならないものと考えております。

 いずれにいたしましても、新型コロナウイルス感染症対策を講じたうえで、可能な限り多くの希望者の方々に傍聴いただけるよう、最善策を検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

中田議員

 教科書採択の教育委員会議は、複数の教科書会社の社員の方々が傍聴されます。住民が傍聴できないということがないよう、傍聴席を確保していただくよう対応を求めます。いかがですか。

 

教育こども部長

 ご答弁申し上げます。今年度については、新型コロナウイルス感染症対策を講じ、3密を避けなければならないため、傍聴席の数を減らさなければなりません。しかしながら、傍聴者が多数おられ、住民の方の傍聴席が足りない場合については、多くの方に傍聴してもらうため、教科書会社の方の傍聴については、傍聴人数に協力を求めるなどの対応をしたいと考えております。また、委員会室前のロビーを活用して、音声にて教育委員会議の内容を放送するなどの対応をしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

中田議員

 終わりです。

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