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2019/9 都市計画審議会と駅西のまちづくりについて

  • 執筆者の写真: みどり 中田
    みどり 中田
  • 2019年9月30日
  • 読了時間: 21分

中田議員

(質問者席へ) 2019年9月の一般質問を行います。「都市計画審議会と駅西のまちづくりについて」です。

 7月31日に行われた島本町都市計画審議会では、マンション建設に反対する町民の意向がより多くなる中、かつ地権者の中にも反対される方がおられる状況にも関わらず、多くの住民意見が全く反映されないままの計画案が賛成多数で可決されてしまいました。このことに落胆した住民の方は多いと思います。その落胆は、結果だけではなく、審議のあり方によるところも大きいです。審議会として不適切と思われる運営や委員による発言が散見されたからです。

7月31日の都市計画審議会を振り返り、審議会とはどうあるべきかについての確認を行うとともに質問を行います。また、都市計画決定後の駅西のまちづくりについて、都市計画審議会の議論や付帯意見を踏まえ、住民全体の福祉の増進に寄与する、つまり公共性の高いまちづくりを実現するために町がなすべきことについて、質問します。

 都計審の傍聴人数について。当日、傍聴定員10名を大幅に超える方が傍聴に来られ、ロビーや廊下にあふれていました。定員10名以外に、外で音声を聞かれた方の人数は。お答えください。

 

都市創造部長

 それでは、中田議員の一般質問にご答弁申し上げます。

 7月31日に開催いたしました島本町都市計画審議会においては、当日、傍聴定員の10名以外に、ロビーや廊下で音声を聞かれた方につきましては100名程度おられたと把握いたしております。

 以上でございます。

 

中田議員

 場外では100名程度とのことです。ロビーで聞かれていた方の話ですと、途中で来たけれども、座る場所もなく人も多く、かなりの熱気で帰ってしまわれた方もおられたそうで、実際にはもう少し多いのではないかと思います。

 次の質問です。過去の審議会で、傍聴希望者のためにロビーに椅子を用意したり、実際に傍聴者が10名を超えたことは何回ありましたでしょうか。

 

都市創造部長

 傍聴希望者への対応についてのご質問でございます。

 過去5年間の都市計画審議会において、傍聴希望者が傍聴定員である10名を超える可能性があるとし、ロビーに椅子を用意した回数は5回となっており、うち4回は10名を超える傍聴希望者がおられたと認識いたしております。

 

中田議員

 具体的には、その4回は何年度の都計審でしたか。また、そのうち傍聴定員を超えてロビーや廊下で音声を聞いた方の数は、今回が一番多いと認識していますが、それで間違いないですか。

 

都市創造部長

 傍聴者が10名を超えた都市計画審議会につきましては、それぞれ平成29年度第1回、平成30年度第1回、平成30年度第2回と、令和元年度第1回が該当するものと認識いたしております。また、この4回の中で一番傍聴者数が多かったのは、今回の令和元年度第1回都市計画審議会であると認識いたしております。

 

中田議員

 平成29年、30年と、いずれも島本駅西の案件が報告された回だと思います。そして、都市計画案が付議された今回の審議会では、これまでで一番多い100名を超える傍聴の方が来られたということです。これは多くの町民にとって関心度が高く、重要な案件だったということの表れです。

 これまで提出された意見書や公述、説明会、タウンミーティングに集まった住民の意見、懸念、提案等々、これらだけでもかなりの数でしたが、さらに今回の都計審の傍聴に集まられた住民の皆さんの多さとあわせ、行政は重く受け止め、今後のまちづくりの協議に臨んでいただきたいと思います。

 さて、大変注目度の高かった審議会ですが、傍聴に来られた方からは、審議会のあり方について、どうなっているんだと多くの疑問の声を聞いています。そこで、質問です。

 都市計画審議会というのは、そもそもどういう機関であると認識しておられますか。

 

都市創造部長

 都市計画審議会を町がどのように認識しているか、についてのご質問でございます。

 島本町都市計画審議会は、「島本町都市計画審議会条例」第2条に基づき、学識経験者、町議会議員、住民組織の代表の方や、一般公募で選出した町の住民の方々から構成される組織でございます。本審議会は、関係行政機関から付議される都市計画に関する案件について、島本町長の諮問に応じ、審議会会長による議事進行のもと、各委員の視点から議論していただき、付議する案件に対して調査・審議いただく諮問機関であると認識いたしております。

 

中田議員

 都市計画審議会は、町長の諮問機関であるとのことです。

そもそも「諮問」とは、有識者または一定の機関に意見を求めることを言います。そして諮問機関とは、行政機関の意思決定に関して専門的な立場から有識者等が特別の事項を調査・審議する合議制の機関であり、中立的な立場から利害調整、外部の専門知識の注入、市民の行政参加といった役割を担うものと理解していますが、この認識で正しいですか。

 

都市創造部長

 諮問についてでございます。諮問とは、特定の事項について附属機関の意見や見解を求め、尋ねることと認識いたしております。

 また、附属機関の役割につきましては、設置目的、趣旨によって異なるものと認識しておりますが、都市計画審議会につきましては、「都市計画法」第77条の2第1項のとおり、権限に属された事項を調査・審議いただき、町の諮問に応じ都市計画に関する事項を調査、ご審議いただくため設置させていただいております。

 以上でございます。

 

中田議員

 調査・審議する場であることはもちろんですが、諮問機関とは「意見を求める場」であるとのことです。

 もう一つ、審議会において重要なキーワードは、中立的というものです。

都市創造部長

にお尋ねですが、審議会の運営は、一般的に中立的であるものとの認識はありますか。

 

都市創造部長

 都市計画審議会の運営は、一般的に中立的であるものと認識いたしております。

 以上でございます。

 

中田議員

 中立的な立場から調査・審議を行う場であるとのことだと思います。その観点から質問です。

意見を求める側の町長は、今回、審議の最初の段階で意見を述べられました。このことは審議会の本質の根底を突き崩す行為だと考えます……(「何でや」と呼ぶ者あり)……。「諮問」の漢字の成り立ちは、「諮」は上の者が下の者に意見を求める、「問」は尋ねるという意味であり、かつ町長は委員の任命権者でもあります。つまり、権限のある者が委員に意見を述べたことになります。権限がある者は、審議会の運営が中立になされるよう極力慎重にすることが望ましいですし、忖度が起こるような状況は避けるように努めなければなりません。

こんなことは、私が今さら指摘するまでもなく、当たり前のことです。今回のように町長が意見を述べることは不適切と考えますが、町長の見解は。

 

山田町長

 都市計画審議会におきまして、私が意見を述べることの是非についてのご質問でございます。

 私が町の見解や方針等について審議会において意見を述べることは、特段、不適切なことではないと認識をいたしております。前の審議会においては、諮問案件にかかる経過についての見解をご質問いただきましたので、私から、これまでの取り組み経過や本町としての方向性について、ご説明させていただいたものでございますが、今後は誤解を招くことがないよう、より留意してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

中田議員

 町長が審議の場で意見を述べることは不適切であると私は言っているのですが、町長は、そのようには思ってはいないとのこと。それ自体が不適切だと考えます……(「根拠がわからん」と呼ぶ者あり)。審議が始まる前の、議長、不規則発言を注意していただけますか……(「質問自体は」他、議場内私語多し)……。

 

村上議長

 ご静粛に。

 

中田議員

 発言者は私です、議長、整理してください。

 

村上議長

 静粛に。

 

中田議員

 ありがとうございます。審議が始まる前の挨拶で、町長が方針を述べることは、もちろんあるでしょう。しかし、審議が始まってから、意見を求めている立場の町長が自分の意見を言うということは、通常、想定されていない事態です。また、委員から意見を求められたから仕方なくという側面があるのかも知れません。しかし、諮問した本人なわけですから、質問に答える際に、諮問機関ですので、この案件について調査・審議のほどをお願いいたしますと、せめて断りを入れるべきだったと考えます。

 また、町長は委員ではないのですから、そこで意見を述べる権限はないはずです。事実関係がはっきりしないときに行政としてテクニカルに答えることはあったとして、意向を述べるということはあってはなりません。そもそも、町長は出席すべきですらないと思います。町長には、首長であり、強い権限を持っているという自覚が足りないのではないでしょうか。首長が審議会の議事進行の中で自分の意見を言って、審議会の中立性が保てるわけがありません。何を考えていらっしゃるのか、町長には自分の立場というもの、言葉の重さをしっかり認識していただきたい。

 首長の審議会での発言についての問題を指摘しましたが、次は、議長についてです。審議会における議長の役割をお尋ねします。

 

都市創造部長

 都市計画審議会議長の役割についてのご質問でございます。島本町都市計画審議会議長は、会務を総理する役割を担われているものと認識いたしております。

 以上でございます。

 

中田議員

 会務を総理とは、つまり全体を取りまとめる役だという意味です。その取りまとめにおいて、議長というものが中立的に振る舞うのも当然ですが、事務局としては、議長はその役割を理解したうえで審議を進められたと認識していますか。

 

都市創造部長

 事務局を担う町といたしましては、都市計画審議会会長は、議長としての役割を理解されたうえで、議事進行をされているものと認識いたしております。

 

中田議員

 今回の都市計画審議会は、適切な議事進行が行われていたと思われますか。

 

都市創造部長

 今回の都市計画審議会が、適切な議事進行のもと行われていたかどうかについてのご質問でございます。

 本町といたしましては、会議の開始前から多くの方々が注目され、またこれまでと比して委員の皆様における活発な意見交換や議論がなされていたものと認識しており、議長という重責を担っていただいた会長におかれましても、本審議会の議事進行にご尽力いただいたものと認識いたしております。

 以上でございます。

 

中田議員

 適切な議事進行が行われたかどうか、お尋ねしたのですが、適切であったとも不適切であったとも、ご回答いただけませんでした。さすがに適切だったとは言えないような議事進行でしたので、当然のことと思います。

 今回の審議会では、公正中立に振る舞うべき議長が、審議の冒頭で、計画はこのまま進めるべきだというような発言をし、審議の公正性をゆがめました。この点、傍聴に来られた方も、議長が審議の方向性を誘導しようとしていると感じた、と言っていました。また、議長は採決の際、自分が審議に加わっていいかどうか、わかっておられませんでしたが、議長が採決に加わらないのは当たり前です。また、委員から見識を疑わすような発言があったと考えますが、それにも関わらず注意しなかったり、様々な意見が出たのに、ろくにまとめもしないまま多数決を取ったり、中立的な取りまとめ、適切な議事進行という議長の役割が、ほとんどまともに果たされていない状況であったと考えます。

 事務局としては、議長が役割を理解したうえで議事進行していたと認識しているようですが、とても、そのようには思えませんでした。事務局として、事前に議長に適切な議事進行のあり方を十分に理解していただくべきだったと考えます。

今回、審議に深まりが見られなかったことの責任は、一義的に事務局にあったと考えます。審議会が行政の案について、きちんと検討し、チェックすることは、町が間違った施策を取らないために重要なことです。町が誤ったことをした場合、住民の福祉の増進が損なわれます。

 審議会というのは、行政の追認機関であってはならないのです。現状の審議会は、本来の役割を果たせているとは思えませんでした。行政は、重要な施策決定を行うにあたり、審議会の答申にゆだねるところが大きいわけですから、それを形骸化させず、まともに機能させることは行政の務めだと思います。都市計画審議会に関わらず、町内には様々な審議会がありますが、この点、今後、しっかりしていただきたいと思います。

次の質問です。

 

村上議長

 一般質問なんで、自分の意見ばっかし言わんと質問してください。

 

中田議員

 質問します。

 

村上議長

 意見が多い。

 

中田議員

 意見が多い……(「一問一答じゃなかったのか」他、議場内私語多し)……。

 議長、不規則発言は整理してください。

 

村上議長

 静粛に。

 

中田議員

 静粛に、ということです。次の質問に移ります。

 議長や委員という立場も、このようにあまり長年されると馴れ合いになってくることもあるのではないでしょうか。例えば、今回の議長である会長は、何年、学識経験者として審議会委員をされていますか。

 

都市創造部長

 現在の都市計画審議会会長については、平成12年より委員を務めていただいております。

 以上でございます。

 

中田議員

 つまり、18年もされているとのことです。一方、本町附属機関等委員の選任基準においては、選任時点の年齢は原則70歳まで、期間は10年とされています。例外もあるとは言え、今後の選任ではこういった点、再度、気をつけていただきたいと思います。

 付帯意見について、問います。審議会の最後、いったん議長に一任するといった流れがあったものの、その後、会長から、委員から意見をいただいてもいいというような発言があったと記憶しています。そのため、私やその他の委員は、議長に一任した付帯意見が一度送られてきて、意見を言う機会があると理解していました。

しかし、実際には審議会があった当日付けで、付帯意見付きの答申が作られています。その後、情報公開請求の音声を確認してみたところ、そのあたりが大変曖昧なままに次の話題に移っており、誤解を招きかねない進行となっていました。付帯意見の作り方、取り扱いについては大変重要な部分であるにも関わらず、まとめが不手際で混乱を招く状況であったと考えます。この点、事務局においてフォローが必要であったのではないでしょうか。

(「なんでや」他、議場内私語多し)

 

都市創造部長

 答申にかかる付帯意見につきましては、審議会中に、会長から案を作成した段階で、委員の皆様から後日ご意見をいただく時間があるかという旨のお尋ねがあり、事務局として、スケジュール上、その時間をお取りすることができない旨、お伝えしたところでございます。このため、会長におかれましては審議会当日に付帯意見を作成され、町に諮問に対する答申をいただき、事務局において答申の写しを8月2日付けで委員の皆様に送付させていただいたものでございます。

 なお、事務局といたしましては、次回以降、よりわかりやすい議事運営となるよう留意してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

中田議員

 事務局は、スケジュール上時間を取れないと議長に伝えたということですが、当日。それはマイクを通しての発言でしたか。

 

都市創造部長

 事務局から議長にお伝えしたのは、マイクを通しての発言ではございません。

 以上でございます。

 

中田議員

 そのため、少なくとも私はその場にいましたが、先ほど言われた事務局の発言は聞こえておりませんでした。ですから、このように、その後、誤解を招く状況になったと思います。事務局としても、次回以降、よりわかりやすい議事運営になるようにと言われてますので、こういった重要なことははっきりとわかる形で示していただけるよう、今後は気をつけていただきたいと思います。

 次の質問です。付帯意見では、都市計画審議会において複数の委員から指摘があった建築物の高さ制限について直接触れられていませんが、高さに関する検討は、その内容に含まれていますか。

 

都市創造部長

 付帯意見の内容についてのご質問でございます。

都市計画審議会では、建築物の高さの最高限度を低くできないかといったご意見や、最高限度を低くした場合の課題、またまちづくりに関して景観への配慮が必要などのご意見を多くいただいたところでございます。これらのご意見を踏まえ、本審議会で取りまとめられた内容を答申書の付帯意見としていただいており、その付帯意見においては、具体化されたイメージに基づいて策定される空間構成や、建築物の形態、意匠、色彩等に関する質の高いルールが必要と明記されていることから、委員からのご意見として多数いただいた建築物の高さに関する検討、景観に関する検討といった内容が、付帯意見にも含まれているものと認識いたしております。

 以上でございます。

 

中田議員

 高さに関しても、付帯意見に含まれているとのことです。ぜひ、マンション建設に反対するたくさんの住民意向に応えるべく協議に臨んでいただきたいと思います。

 もう一つ、先日来お伝えしてますが、マンション建設に反対する住民の意向が多いということは、景観だけでなく、インフラ整備の伴わない住環境の悪化を危惧する住民意向の表れであるということを、ここで改めて強調しておきたいと思います。

審議会や付帯意見では、マンション建設高さのことについて、景観の面からクローズアップ、特にクローズアップされていましたが、実際には人口増加を懸念する声も大きいです。学校などのインフラが整っていないにも関わらず人だけが増えるのは、既存住民にとっても、新しく入ってくる方々にとっても、生活環境を良好に保てないことを意味するからです。典型的には保育所等、小学校、そして学童、中学校、それから十分な子どもの遊び場、公園がないといった、子育て・教育環境の悪化することに顕著に表れています。

 マンション建設に反対する住民の意向というのは、景観のみならず、インフラ整備の伴わない人口増による住環境の悪化に対する住民の危機感の表れであるということについての認識はありますか。

 

都市創造部長

 人口増により、住環境が悪化することに対する危機感についての認識に関するご質問でございます。

 JR島本駅西地区におけるまちづくりに関するご意見のうち、当該地区におけるマンション建設に反対をご意見される方々からは、景観や住環境への課題に関するご意見についてもいただいております。これらの課題に懸念を抱かれている住民の方がいらっしゃることは認識いたしており、本町といたしましては良好な住環境の形成を図るべく、まちづくりを推進してまいりたいと考えております。

 

中田議員

 そういった意味から、できるだけ今後のまちづくりにおいては、高さのみならず住宅の数をコントロールし、例えば緑地や公園等の公共に供する面積を増やすことが、まちづくりの公共性を高めることに繋がると思います。財産権を侵害しない限りにおいて、公共減歩を増やし、都市計画案に描かれていた以上に大きな公園や緑地等を造ることは可能と考えますが、その認識は正しいですか。

 

都市創造部長

 公共減歩に関するご質問でございます。

 土地区画整理事業において、公共減歩を増やすことで公園や緑地等、公共施設の面積を増やすことは可能であると考えられます。しかしながら、これにより減歩率が増加するなど、地権者の皆様の財産に関わることであり、組合施行の事業として権利者の合意形成が必要なものでございますので、本町といたしましては準備組合の皆様と協議のうえ、慎重に議論すべき内容であると認識いたしております。

 

中田議員

 現状の地区計画における公園と緑地の面積は、全体の何%確保されていますか。それは何を根拠に決めていますか。

 

都市創造部長

 公園・緑地の面積に関するご質問でございます。

 JR島本駅西地区の地区計画における公園・緑地の面積につきましては、「大阪府自然環境保全条例」第28条及び附則第2項の規定により、自然環境の保全と回復に関する協定を、今後、施行者である準備組合と大阪府知事との間で締結されるにあたり、自然環境の保全と回復に関する協定実施要綱に基づくよう、協定対象区域の6%を公園と緑地の面積として確保できる地区計画としております。また、当地区内の公園の面積につきましては、「都市計画法」第33条に基づき、開発区域の面積の3%を確保できる地区計画としております。

 以上でございます。

 

中田議員

 公園と緑地の面積は、今、全体の6%であり、「大阪府自然環境保全条例」に基づいているとのことです。この条例等によると、公園と緑地合わせて最低6%以上確保することが求められているようですが、現状では駅西地区について、潤いのある住環境をと言っていながら、公園と緑地等の面積はその最低ラインに止まっているということと理解しました。

 望ましいまちづくりをするときに、公園と緑地の面積が最低基準を満たしているからいいのかどうか、というのは疑念なところです。「良好」と言うからには、ほかのまちよりずっと多くの公園を造るなどが必要で、それが今の計画には、さらに公共性を強化することにも繋がると思います。本来、そういうことを都計審で議論すべきでしたし、そういったことを話し合うための継続審議を要望したわけですが、必要なしと判断され、審議が尽くされない状態で採決が行われてしまいました。

ですから、ここで質問として確認します。公園や緑地等の面積を増やすことは、今、地球規模で起こっている気候と環境の非常事態や生物多様性の損失を緩和するだけでなく、景観、人口抑制など生活環境の改善にも繋がり、まさに持続可能な開発目標(SDGs)そのものです。公園と緑地をさらに増やす点について、今後のまちづくりの中で行政として前向きに交渉していただきたいと考えますが、いかがですか。

 

都市創造部長

 公園・緑地をさらに増やすことに関するご質問でございます。

 7月31日に開催いたしました島本町都市計画審議会における答申の付帯意見におきましても、町を代表する空間としての景観形成、緑化の推進を行い、将来にわたって町の住民の誇りとなるようなまちづくりを推進すること、といただいており、町といたしましては、こうした内容を踏まえ、公園や緑地等を含めた緑化に関するまちづくりについて、引き続き準備組合と協議を行ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

中田議員

 これまで再三にわたって述べていますが、この地区には準絶滅危惧種であるドジョウやケリやヒメボタルなどが生息しています。例えば、公園や緑地面積を増やし、田んぼのまま、もしくは湿地公園や農業公園にして、これら希少かつ島本町の重要種とされている生き物が生息する特徴ある公園・緑地となれば、先進的な駅前のまちづくりとして話題になるものと考えますが、いかがですか。

 

都市創造部長

 公園や緑地に関する再度のご質問でございます。

 本町といたしましても、当該まちづくりにつきましては、町の玄関口としてふさわしい地域にしてまいりたいと考えており、本年6月4日付けでJR島本駅西土地区画整理準備組合に提出いたしました要望書の中にも、自然環境への配慮を目的に「島本町生物多様性保全創出ガイドライン」に記載する内容を踏まえていただくよう要望し、協議を行っているところでございます。今後につきましても、緑化や景観にあわせ、希少な動植物の生息・生育環境の保全をはじめとする自然環境へも配慮したまちづくりを行っていただくよう、協議を重ねてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

中田議員

 都計審では、駅西地区にもう生き物などいないというような事実と異なった意見もありましたが、平成23年度に行った島本町自然環境調査等業務の報告書では、桜井地区はヒメボタルの生息地及びケリの繁殖地としており、重要な環境であるとともに、今後、配慮の必要な場所とされていると、6月の一般質問でも

都市創造部長

にお答えいただいています。今年行われた環境保全審議会でも、この点、また別の委員の方が、7年も前の調査結果であって――この調査に関して、今は何もいないのではないかという意見もありましたが、これも事実とは違っています。私は今年も、桜井地区でドジョウもケリもヒメボタルも見ています。

 正直言って、都市計画が変更されてしまった今、協議にどれほどの効力があるのかは大変疑問ではありますが、そうであっても、これからの未来の町、地球環境のことを考えれば、生物多様性を保全することは極めて重要で、優先度が高いと思います。

例えば、熱中症搬送9万5千人、死者1,500人を出した昨年度の猛暑は、気象庁の気象研究所などによる研究結果では、人間活動によって温暖化していなかったら、ほとんど起こらなかったような現象だと結論づけられています。このまま人間活動が続けられれば、その影響で2030年には、もう後戻りできない地球の劣化が始まるとされています。10年以内に、ポイント・オブ・ノーリターンに達するという見解が、今、かなり多数を占めています。つまり、人類が危機を脱出するためには、あと10年も時間が残されていないという認識が世界に拡がりつつある状況です。

 それまでに、この島本町でも、できる限りのことをすべきです。地球規模で考えたときに、目先の経済的利益よりも、もっと大事なことがあります。地球温暖化が進行して環境の悪化が予想されている今、社会のレジリエンスを高めるためには、健全な生態系を保全していくことが必要です。使わない土地は自然に戻してもかまわない、地球規模で見れば、それぐらいの状態です。社会にとって必要がない開発をしている場合ではありません。このような歴史観・文明観に立って、今後の施策、そして駅西のまちづくりの協議に臨んでいただけるよう、強く要望いたします。

 以上で、終わります。

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